芦田愛菜「信じる」が中国人も称えるほど深い訳

年齢も国境も超え、天才子役から人格者に成長

次にコメントの細部を見ていきましょう。

「『その人のことを信じようと思います』っていう言葉ってけっこう使うと思うんですけど、『それがどういう意味なんだろう』って考えたときに、その人自身を信じているのではなくて、『自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかな』と感じて」

「『それがどういう意味なんだろう』って考えたときに」というコメントには、言葉の意味を深く考えずに使う人がほとんどの中、芦田さんは常に1つ1つの言葉を考えた上で使っている様子がうかがえます。これは日々、仕事や学校などで勉強を重ね、本を読み続けた積み重ねによるものであり、だから芦田さんは、あらぬ誤解を招くような失言をすることはないのでしょう。

また、「その人自身を信じているのではなくて、『自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかな』」というコメントには、類いまれな客観性がにじみ出ています。

これも芦田さんが生まれながら持っているものではなく、「理想を抱き、誰かに期待した」という実体験で自ら得たものでしょう。「理想通り、期待以上」と喜んだ体験もあれば、「こんな人だと思わなかった」と失望した体験もあるなど、「日ごろ人と向き合って一喜一憂し続けてきたから、客観性を身につけられた」としか思えないのです。

「揺るがない自分」になる唯一の方法

「だからこそ人は『裏切られた』とか、『期待していたのに』とか言うけれど、別にそれは、『その人が裏切った』とかいうわけではなくて、『その人の見えなかった部分が見えただけ』であって、その見えなかった部分が見えたときに『それもその人なんだ』と受け止められる、『揺るがない自分がいる』というのが『信じられることなのかな』って思ったんですけど」

「『その人が裏切った』とかいうわけではなくて、『その人の見えなかった部分が見えただけ』」「その見えなかった部分が見えたときに『それもその人なんだ』と受け止められる」というコメントから感じるのは、圧倒的な優しさ。

今回のコメントを「まるで哲学者だ」と称える声が多かったのですが、芦田さんの本質は「自分の立場だけでなく、相手の立場からも見てみる」「自分を受け入れてもらうより、まずは相手を受け入れようとする」という優しさにあります。

実際、約1分10秒に渡るコメントは、終始「どう話したら聞いてくれる人がわかりやすいか」を考えながら話しているように見えました。哲学者には似た思考回路の人もいるでしょうが、芦田さんのように「目の前の人に対して優しさを見せられる」とは限らないのです。

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