「侍ジャパン」から始まる、野球の大逆襲

野球界が、真の改革へと動き出した

WBCを二連覇した日本代表。国際的な舞台での活躍は、野球人気復活のために不可欠だ(写真:AP/アフロ)

衰退産業である野球界は、どうすればかつての熱気を取り戻すことができるだろうか。ひとつの方策としては、カルロス・ゴーンを招いた日産自動車のように、外部の血を注入することが考えられる。必要なのは、変革の足かせとなっている既成概念を吹き飛ばすことだ。

だが、構造改革の進まない日本野球機構(NPB)という組織で、そうした手は現実的ではない。なぜなら、出るくいは権力者たちに打たれてしまうからだ。そもそも、ゴーンのような強烈な個性は受け入れないだろう。

はたして古い日本社会の縮図である野球界は、どうすれば変わることができるのか。その大きなカギを握るのが、侍ジャパンというイノベーションプロジェクトである。

ビジネス界から人材を集める

「この日が来るのを待ち望んでいた」

2013年5月16日、アマチュア球界を束ねる全日本野球協会(BFJ)の副会長・鈴木義信は、深い感慨にふけっていた。25年前、1988年ソウル五輪で野茂英雄、古田敦也、野村謙二郎らの野球日本代表を率いて銀メダルに導いた鈴木は、その日が訪れた意義を誰より感じていた。

「10年後、20年後もその日を忘れない」

北海道日本ハムファイターズや横浜DeNAベイスターズの事業部で勤務し、2013年4月からNPBの侍ジャパン事業戦略担当を務める前沢賢は、その日までの道程を胸に刻み込んだ。着任からたった1カ月で、こんなにも早く第一歩目を踏み出せるとは微塵も想像していなかった。

2013年5月16日は、日本球史において特別な1日になった。NPBとBFJが手を組み、野球日本代表マネジメント委員会(JBMC)が発足したのだ。

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