サンリオ、「2分4000円」のライブ配信に賭ける訳 オンラインごしの触れ合いに申し込みが殺到
ピューロランドでは以前から有料グリーティングをテーマパーク内で実施しており、1分間で2000円という価格だった。オンライングリーティングではそうした値段を加味し、2分間で4000円に設定。ファンでなければ、かなりの高額だと感じる価格帯だ。
しかし、この2分間4000円のライブ配信に申込者が殺到。抽選倍率7倍の人気ぶりとなった。小巻社長は「長くお客さんとキャラクターの触れ合いがなかったので渇望感があったのではないか。やってみてわかったが、オンライン上では自分一人とキャラクターのプライベート空間ができあがる。そのため、(顧客の)没入感がすごかった」と分析する。
人目を気にせずキャラクターと触れ合い
通常のグリーティングでは、多くの人が並んでいる前でキャラクターと触れ合うことになり、周囲を気にする人もいた。しかし、オンラインであれば、人の目を気にせずにキャラクターと触れ合える。さらに、オンラインではキャラクターで埋め尽くされた部屋を見せることで、ファンのキャラクターへの愛情を今まで以上に示すことができる。
同社は今後もライブ配信を継続し、2020年10月からはハロウィーンをテーマにしたオンライングリーティングを実施予定だ。
ただ、同社の経営状況はこうしたライブ配信だけでは好転しないほど厳しい。新型コロナが一向に収束する気配を見せず、ピューロランドへの来園者を見込むことは難しいためだ。
サンリオのテーマパーク事業(大分県のハーモニーランドを含む)はデータの残る2002年3月期以降、赤字続きだった。
ところが、小巻社長がサンリオピューロランド館長に就任した2016年以降、そうした状況が一変する。若手俳優とサンリオキャラクターが共演する「2.5次元ミュージカル」などが評判を呼び、以前までは70万人台だった来場者数は100万人を突破した。
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