老いなき世界「人生のゴール」は無意味になる 「成長」から「持続」へと変化する人生の価値観

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「怖い」と思うか、「面白い」と思うか。どちらのマインドセットを持つかによって、拓ける道が変わるのではないでしょうか。

日本人はこれまで、戦争のようなハードな出来事がなければ変われないところがありました。でも本当は、そのようなハードラーニングなしに変わってゆけるのが理想的です。そこを頑張って目指すしかありません。

自分軸さえ持てれば、未来は怖くない

『ライフスパン』には、年齢差別をやめて、高齢者の労働参加を増やし、多くの人がイノベーションに加担すれば、全員が世界と関われるようになると書かれています。まさにここが、マインドセットを変えることで得られる重要な部分だと思います。

かつては、「年寄りはITなんて使えないよ」なんて言われていましたが、高齢者でもITやスマホを使いこなしている人はたくさんいます。逆に、20代でも電子マネーを怖がる人がいるほどで、年齢は関係ありません。

記憶力の低下など、衰える部分もあるとは思いますが、やはり年齢を重ねた分、蓄えられた知識や知見、経験によって増えていくもののほうが非常に多いのです。ですから、僕はそんなに心配してはいません。頭脳労働なら、20代と70代とでそう変わらないでしょう。

僕はもともと山登りが趣味ですが、この10年間は月に1度は必ず登るようにしています。高齢の方も登っておられますし、つらいと思ったことはないですよ。瞬発力は落ちているかもしれませんが、持久力や筋力などは、そうそう落ちないものです。

外部要因に振り回されて不満や不安をため込まないために、自分の中にしっかりと軸を持つことも、重要だと思います。会社や社会の愚痴を言っていても、なにもはじまりません。よりよくするために、日々自分で考え、前向きに判断していく。そのためには、自分のマインドを健全に保つための軸が必要です。

イヤなことがあっても、毎日決めた運動をしてスッキリさせたり、ジャンクフードは食べずにちゃんとした食事をとるように心がけたり、ごみ出しをして、部屋を片付け、規則正しい生活を送りながら、睡眠時間をキープする。そうすると、そこが軸になって、外部要因に揺らがない自分の世界を作ることができます。

自己承認を得られるような人間関係を築いていくことも、大切なことですね。30代で起業家として成功して、巨額の富を手にして引退する人がたまにいますが、そんな人生が楽しいかというと、実はそうではなかったりもするようです。

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