オンライン授業で飽きる人に伝えたい鉄則3選 「家に通学する」ことでオン・オフを切り替える

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ただ現状、オンライン教育はアーカイブといって過去の時点で収録した授業を流す形式であることがほとんど。その場合にはこの手法は使えません。しかし、諦めることなかれ。工夫の余地はあります。アーカイブ形式でも、「企画への参加」と「次へのドキドキ」を確保するようにすればよいのです。

例えば先程の例でいえば、「この問題についてどう考えますか。3分時間を取るので、手元のメモに書くかパソコンで記述してみてください」と言って、実際に3分間、先生が何も発信しない時間を作る、という方法があります。3分間の間には「どうですか? あと1分です」などと、リアルタイムさながらの発言を挟むのも効果的です。

生配信であろうが、アーカイブ配信であろうが、生徒に参加感を持たせ、かつ、次にどうなるかわからない感じを持たせるのが重要なのです。

動くものがあるとつい目で追う習性を利用

2つ目の秘訣は、「手を動かす」ということです。これも、オンライン教育を提供する側の話です。

人間も動物ですので、動くものがあるとついつい目で追ってしまいます。そして動くものを目で追っているときは比較的集中力が持ちやすい傾向にあります。

思い出してみてください。アメリカの大統領の演説や著名な経営者の演説を。彼らは必ず身振り手振りを大げさと思えるほどに駆使しており、それによって抑揚をつけるだけでなく、観客に飽きさせないようにしているのです。

オンライン教育の場合、「これが◯◯だとして」として左手を出し、「△△に対して作用したとして」として右手を出す、など、手を動かすことができるシーンはたくさんあります。普段の対面型の授業よりも3倍増くらいの気持ちで手を動かすと、見ている生徒のほうは飽きにくいようです。

ただ、ここでも留意すべき点は「次へのドキドキ」を担保すること。次へのドキドキがなく、予想できるような形で手を動かしても意味はありません。例えば、「これをオンライン教育といいます」などと言いながら「オンライン教育」とホワイトボードに書く、といったことは、手を動かしてはいるのですが次が予想できてしまうので、生徒の注意を引くことにつながりません。

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