財源が見えない子育て政策、幼保一体化も難題山積

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財源が見えない子育て政策、幼保一体化も難題山積

「チルドレン・ファースト」を掲げる民主党の子育て政策が、具体化へ向けて動き出した。

1月29日、政府は少子化対策大綱「子ども・子育てビジョン」を閣議決定した。待機児童解消に向け、2010~14年度までの5年間で「認可保育所の定員26万人増」「3歳未満児の保育サービス利用率を現行24%から35%に高める」など、約40項目の数値目標が盛り込まれた。

だが、保育関係者の反応は鈍い。達成に必要な追加支出は14年度時点で約1・6兆円との試算だが、財源については明記されていない。

「財源論なしには、今までと何も変わらない」と、保育所最大手のJPホールディングス・山口洋社長は落胆する。

さらに問題は、半分以上を財政難の地方自治体が負担する点にある。厚生労働省も「自治体で予算がつかなければ実現は難しい」と認める。

東京都のある区の保育所整備担当者は、「都内で保育所用地はめったに見つからなず、取得するにも3億~5億円かかる。毎年、数百人規模で増やすのはきつい」と語る。

こうした問題には、08年創設の「安心子ども基金」(約2700億円)が施設整備を補助するほか、学校の空き教室など既存施設の有効活用も推進する。だが自治体からは「消防法や建築基準法上、設置が困難な場合が多い。低年齢児の保育に適した空き教室も少ない」との声が上がる。

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