信頼される会社を、複数のデータから見つけるのがCSR企業ランキング(総合)。この総合ランキング、部門別ランキングに続き、今回は「所属業種別から見たランキング」をお届けする(金融を除く。同業界は別途近々発表予定)。
ひとことでいうと、総合ランキングの特徴は、絶対的な差が大きいことだ。CSR分野に幅広く取り組む大手メーカーの得点は必然的に高くなる。環境部門など、サービス業では可能な活動に限界がある分野もある。そのため、各企業のCSRの取り組みを評価する際は、業種別に見ていくことが必要だ。そこで、今回は、証券取引所分類を18業種にまとめ、各業種の上位20社をご紹介する。さっそく、CSR先進企業を見ていこう。
食料品トップはJT、繊維は東レが帝人を上回る
水産・農林業/鉱業/建設業の1位は、国際石油開発帝石(得点545.5点)。財務部門のトップ企業だ。総合順位では14位と、昨年の25位から大きく順位を上げている。人材活用84.2点、環境82.6点、企業統治+社会性93.5点と財務以外の部門でもまんべんなく点数を稼ぎ、総合10位入りも目前だ。以下、2位積水ハウス(518.2点)、3位大和ハウス工業(505.7点)と続く。上位企業のほとんどは建設業で、水産・農林業は20位以内に入らなかった。
食料品のトップはJT(552.1点)。人材活用96.1点、環境94.2点、企業統治+社会性94.8点と高得点を揃えた。タンザニア、マラウイ、ザンビアといった葉たばこ産地で灌漑設備や井戸の設置を行うなど、本業と関係の深い地域の発展を志す。以下、2位味の素(541.6点)、3位キリンホールディングス(529.0点)、4位アサヒグループホールディングス(510.9点)までが総合100位以内だ。
繊維製品は東レが534.8点でトップとなった。人材活用97.4点、環境89.9点、企業統治+社会性90.8点とバランスよく得点。2位は帝人(515.3点)。企業統治+社会性は100点と高いが財務で差がついた。3位のワコールホールディングス(476.1点)はツートップに大きく水をあけられている。700位に入った企業は15社にとどまり、業界全体の存在感は薄かった。
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