キヤノン電子が描く「宇宙ビジネス」の未来 トップが語る「技術立国・日本」再興の要諦
宇宙開発が進めばビジネスチャンス
――キヤノン電子は宇宙事業で何を目指しているのでしょうか。
2017年に超小型人工衛星をインドから打ち上げ、キヤノン製の光学機器を搭載して地表の画像を撮影するなど観測や運用の実績を積み上げている。宇宙開発が進めば人工衛星の需要が高まり、人工衛星の販売や部品の供給というビジネスチャンスが来る。
宇宙関連の機器は特注品が多く、値段が高かった。そこで、自社で内製化した低コストの人工衛星を販売できないかと考えた。現在は自社で打ち上げて運用し、ノウハウをためている段階だ。
人工衛星の需要が高まると、それを打ち上げるためのロケットが必要になる。しかし、日本ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)主体のロケットしかなく、打ち上げコストが高くなりがちだ。また、海外打ち上げには安全保障上の理由からさまざまな手続きが必要になる。
そこで契約から打ち上げまで最短かつ高頻度に打ち上げることのできるロケット打ち上げサービス会社として「スペースワン」を立ち上げ、出資している。2020年代半ばに年間20回打ち上げる計画だ。キヤノン電子としてもロケット開発とロケット打ち上げサービスを行う会社を目指していく。
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