三井不、「コロナ時代のマンション」開発の裏側 在宅に合わせ間取りを変更、共用部にも一工夫

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三井不動産レジデンシャルが3月に発売する予定だった「パークタワー勝どきミッド(右)及びサウス(左)」。2棟で総戸数2786戸を誇る巨大マンションだ(撮影:梅谷秀司)
テレワークの拡大によって私たちの生活は激変する一方、さまざまな問題も浮き彫りにした。自宅のリビングでは仕事に集中しづらく、家族と一日中同じ空間にいることでのストレスも顕在化。通勤が不要になったことで、運動不足の解消も課題となった。
生活が変われば、住宅に求める機能も変わる。三井不動産レジデンシャルが3月に東京都中央区で販売予定だった大型タワーマンション「パークタワー勝どきミッド」と「パークタワー勝どきサウス」は、発売直前にコロナ禍に襲われた。
外出自粛を受けて発売延期を余儀なくされた一方、コロナ時代に求められるマンションの機能を模索。ゆとりある敷地面積や豊富な共用施設という恵まれた条件を生かしながら、すでに決まっていた居室や共用部の仕様を再考し、半年足らずで実装にこぎつけた(2020年11月から販売開始)。
大手デベロッパーの考える「新しい生活様式」に則したマンションの姿とは何なのか。プロジェクトを担当する三井不動産レジデンシャル都市開発二部事業室の木内淳一室長に聞いた。

在宅勤務向けに新サービスを

――今回の物件はもともと、工場や倉庫、住宅が建ち並んでいた一帯を再開発するプロジェクトでした。2019年12月にホームページを公開し、2020年3月から発売予定でした。が、コロナ禍で発売が急きょ延期になりました。

3月時点では発売スケジュールの変更のみを検討していたが、4月に緊急事態宣言が発令されたことで、在宅勤務がかなり普及し始めた。そこで、在宅勤務をする人たちに対して新しいサービスが提供できないかと考えた。

当時はネットの情報を集めたり、社内外でアンケートを取ったりして顧客ニーズの把握に努めた。ただ時間的な余裕がなく、最後は「えいや」と決めた部分もあった。

ゼネコンにとっては一度決まったものを設計し直すことになり、多少負担をかけてしまったが、「コロナをふまえて新しいものを提供したい」という熱意に何とか共感していただけた。

次ページ専用部の設計変更プランを用意
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