三井不、「コロナ時代のマンション」開発の裏側

在宅に合わせ間取りを変更、共用部にも一工夫

――手探りの中での仕様変更でした。

在宅勤務は間違いなく増えると感じている。また、いつも家にいることに付随する課題も出てくるだろう。

つねに家にいると、なかなかリフレッシュができない。そこでマンションの外側に広がる公開空地にWi-Fiを設置した。ここはもともと、お母さんたちが集まることやランチ時にオフィスワーカーが利用するといったことを想定していたが、Wi-Fi環境を整備したことで、仕事の場としても活用できる。

きうち・じゅんいち/1995年に三井不動産入社。パークコート赤坂ザタワー、ザ・タワーズ台場などの都心大規模物件の営業や、パークシティ浜田山、パークシティ中央湊などの開発を担当。現在は湾岸エリアの大規模再開発物件を管轄(撮影:梅谷秀司)

ゲストルーム(来訪者向けの宿泊部屋)の使い方も変えた。ホテルが一時的な仕事場として提供されているのを見て、ゲストルームも日中に利用できるプランを設けた。これは住民向けのサービスだ。

ゲストルームのうち1部屋はマンションの目玉になるような大部屋を検討していたが、そのスペースをすこし小さくし、代わりに「パーソナルリビング」を設置する予定だ。

――どういった施設でしょうか。

テレビや家具が備え付けられた10畳くらいのリビングだ。在宅勤務が始まると、奥さんから「旦那がいつも家にいると息が詰まる」という声があった。旦那としてはつらいものがあるが(笑)、奥さんがほっと一息ついたり、家族の誰かがオンライン飲み会をやったりするときに活用してもらえればと思う。

管理費への影響はきわめて少ない

――充実した共用施設は魅力的ですが、維持費がかかりそうですね。

設備の導入に当たっては、ランニングコストがどれくらいかかるかを管理会社に確認した。管理費への影響がきわめて少ないという結果になり、導入を決めた。

われわれは湾岸エリアで大規模物件をいくつも手がけており、管理会社経由で既存物件の共用施設の稼働状況を調べている。今回は入居後もきちんと稼働していることが実証された施設を採用している。

――コワーキングスペースはマンション住民以外も利用可能とのことですが、住民でも有料なのですね。

月額会員とドロップイン(1日もしくは時間単位での利用)の両方を設定している。受益者負担にはなるが、外部のコワーキングスペースを利用するよりは安い価格設定にする予定だ。

サウス棟1階のカフェも外部の人が利用できる。住民専用のカフェは売り上げだけでは運営費用が賄えず、持ち出しになってしまう。住民としても、専用がいいという声はあまり聞かなくなっている。外部の人に利用してもらいながら管理費負担を減らしていくことも、今後のマンションのあり方ではないか。

次ページ予定最多販売価格帯は9000万円台
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