種まきしたことが実った
――「勝負の年」と位置付けた前期(2020年6月期)の成果について、どう評価しますか。
事業ごとに状況は異なるが、全体的に、種まきしてきたことが実った年だった。日本のフリマ事業からいくと、前期は出品・購入の分量をリバランスする、つまりわれわれにとっての商品在庫である出品を促進することに重点を置いた。機能改善やポイント施策が効き、年明けくらいから成長回復の兆しが見えていたが、そこに新型コロナが来た。家にいる時間が増え、メルカリで出品・購入してみようという人が増え、成長は加速した。
アメリカも似たような状況だ。昨年末くらいからオンライン・オフライン両軸でプロモーションを強化しており、徐々に売買を活性化することができていた。コロナ影響という意味では、現地でロックダウンがあったのに加え、アマゾンはじめEC大手で生活必需品以外の商品の配送遅れが目立ったため、エンタメ系の商品売買などでメルカリに目が向いた。結果として、上場前から目指していた月間流通総額1億ドル(約100億円)を達成できた。
メルペイは予定通り、第1フェーズ(ユーザーと加盟店の拡大)、第2フェーズ(フリマ事業との相乗効果の追求)を段階的に進めてきた1年だった。ヤフーとLINEの経営統合発表など、競争環境の変化もあった。そんな中でメルペイも、NTTドコモと加盟店開拓の共通化に向けて提携を結んだり、オリガミを買収して(同社が従前から提携していた)信金中央金庫と地方のキャッシュレス化推進に乗り出したり、着々と手を打っている。
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