KPIを導入しても経営が上向かない「あるある」 「効果がない or 逆効果」を防ぐ使用上の注意

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そして気がついた頃には顧客離れが起きて「売り上げ目標」を達成できない、あるいは無理な営業に営業担当者が疲れてメンタル不調が増えたり離職率が上がったりといった事態を招いてしまうのです。

その揚げ句「人員を増やしてカバーする」といった的外れな対策をとり、いつまでたっても生産性が向上しないことも起こりえます。「KPIを設定して頑張っているのに一向に業績が向上しない」という組織はこの罠に陥っていることが少なくありません。

このケースの場合、「売り上げ成績」だけでなく、営業チームごとに「顧客満足度」や「NPS(ネットプロモータースコア:推奨意向)」をKPIに設定していたらどうだったでしょうか。

仮にあるチームだけがある時期からこれらの数字が下がっていたとしたら、早期に問題に気づき、「提案内容が的を射ておらず、顧客にソリューションを提供しきれていないのではないか」、あるいは「『売り上げ成績』の達成に追われて、本来とるべき案件ではないのに強引に売ったのではないか」といった仮説が立てられるわけです。

そしてほかのKPIの動きや顧客からの生の声などを分析することで、効果性の高い対応策がとれるのです。

従業員を間違った方向に動機づけてしまう

KPIを活用したとしても、人間のモチベーションに対する洞察が甘く、そのバランスが不適切だったり、評価報奨制度とのバランスが悪いと、従業員が本来動いてほしい方向に動いてくれないということも起こります。

例えば近年、営業担当者にも結果評価だけではなくプロセス評価を導入しようという動きが広がっています。ただ、仮に「訪問件数」の評価の比重を30%程度にしてしまうと、「売れる見込みはなくても、とにかく『訪問件数』だけは増やそう」と考える人間が一定比率は出るものです。クロージングの能力が低い人間ほどそうした行動をとるでしょう。これでは最終的な売り上げや利益にはなかなかつながりません。

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