せっかく自分を頼って声をかけてくれた人を遠ざけないためには、「私でよければやらせてください」と“前向きな返事”をすることがいちばんです。やる気のある素直な姿勢ほど、相手は好感を持つのです。
「あなたのため」は「自己満足する」ための言葉
ビジネスの場でも家庭でも、「あなたのためを思って言っているの」と言う人は要注意。それは「自己満足のため」の言葉で、自分が相手に「こうしてほしい」と思っていることを、「あなたのためよ」と善意のように見せかけて支配しようとしているのです。
◎好かれるひと言 「私はこう思っている」
「厳しいことを言うようだけど」という前置きも同じで、自分が相手をコントロールしたい気持ちが強いときに出てくる言葉です。その後に続くのはたいてい、相手への期待を裏切られたことに関する不満や攻撃。「期待」というのは、思いどおりにならないと「攻撃」に変わりやすいのです。
ビジネスの場では、こうした言葉を使って部下や後輩にマウンティングする人がたくさんいます。誰かに対して「絶対に負けたくない」と思っている人ほど、椅子取りゲームのごとく、能力ある人を潰しにかかります。
とくにターゲットになりやすいのは自己主張をしない人。また、指示に対して「このやり方だと甘いんじゃないですか?」などと痛いところを突いてくる、能力が高い部下です。自分の手に負えないと感じると脅威を覚えるからです。
「あなたのため」と言いたくなるときの自分の気持ちに向き合い、本当に相手のために伝えたいときは、「私の考えではこうしたほうがいいと思う」と簡潔に内容を伝えるにとどめましょう。マイナス感情は言葉に出やすいので、自分を客観視して冷静な対処を心がけて。
ぜひ、拙著『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』を通じて、自分の発する言葉に少し注意を向けてみてくださるとうれしいです。ちょっとした「言いかえ」が、あなた自身も周りの人も、幸せにしてくれることを願っています。
自分も相手も大切に。豊かな人間関係構築の一助になりますように。
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