精密加工装置製造のディスコ(28位)は「異動の自由」を標榜し、社員が自身の異動したい部署を指定することができる。定期的なローテーションはなく、社員の自主性を最大限に生かした文化、制度を導入している。
トマト加工品最大手のカゴメ(71位)は、2019年4月から副業制度を導入している。総労働時間を1800時間に短縮する取り組みの中で、生じた可処分時間を有効に活用する視点から生まれた施策だ。直接雇用の全社員を対象とし、兼業先も「競業や機密情報に関わるもの以外」と広く認めている。
働く期間が長期化する中、年齢によらず活躍し続けられるキャリアの形成は重要だ。企業にとっては定年制度の延長やテレワーク、副業・兼業の導入など「長期的視点」を持った人材管理が重要になってくる。
また、ITの発展や普及によって、スキルや経験が陳腐化する可能性も高まっている。人手不足による人材獲得競争に直面する企業にとって、社員の「自律的な学び」による社内の人的資本の掘り起こしは急務だ。
そして、近年はESG投資の広がりなど、企業の社会課題への向き合い方も実経済に影響を与えるようになった。社員に「社会への貢献」意識を持たせることも、企業の持続的な発展に不可欠な取り組みになっている。
プラチナキャリアでは、こうした「長期的視点」「自律的学び」「社会への貢献」の3つの視点を重視している。
コロナ禍で加速する企業側の改革
新型コロナウイルスは、私たちの働き方を大きく変える可能性がある。すでに新卒採用では、日本経済団体連合会(経団連)と文部科学省が採用時期の通年化を目指すことで合意した。
また、日立製作所は在宅勤務の拡大とあわせて、ジョブ型雇用の適用を全社的に進めるとしている。ヤフーは新常態(ニューノーマル)をにらみ、イノベーションの創発を目指した副業人材の募集を開始した。
皮肉にもウイルスという外圧が、こうした「改革」を劇的に進めた格好だ。しかし、今後新型コロナウイルスが収束したとしても、また別の危機が訪れる可能性は十分にある。
企業は持続的な発展のために、外部環境の変化、柔軟な働き方やキャリアの多様化への対応力がより一層求められるだろう。「人生100年」「ウィズ(ポスト)コロナ」の時代に輝ける「プラチナキャリア」の構築は急務だ。
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