コカ・コーラが今、自販機に積極投資する理由 ドラガン社長「足元の売上減は一時的なものだ」

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日本には約200万台の自販機があり、そのうち約70万台を弊社が占めている。市場のトップとして、新しい自販機の運用形態を見つけなければならないという重い責任がある。長期的に持続可能な自販機事業の運用方法を見つけるため、コスト削減に焦点を当てて取り組んでいく。

カリン・ドラガン/1966 年、ルーマニア生まれ。1992年ティミショアラ工科大学工学部卒業後、コカ・コーラレバンティス入社。2012年にコカ・コーラウエスト副社長、2013年にコカ・コーライーストジャパン社長を経て、2019年3月から現職(撮影:今井康一)

同時に、業界で協力可能なパートナーも探している。投資をせず、ここで踏みとどまることはない。自販機事業への投資こそがわれわれの成長する道だ。

――具体的に、他社と提携する話は進んでいるのでしょうか。

市場で起きていることに目を向け続け、現時点で可能なすべての機会を模索している。特に今は、飲料メーカーの多くが苦しい状況にある。互いにメリットが生まれる案件に関しては、つねに前向きに検討している。

投資のスピードは緩めない

――ドラガン社長は2020年を「変革の年」と位置づけ、さまざまな投資計画を発表していました。

一時的なコスト削減は行い、2024年までの中期計画の見直しも視野にあるが、投資に関してスピードを緩めるつもりはない。

今こそ未来のために投資をするべき時期だ。コロナの影響は永遠に続くわけではない。今は生産ラインに投資しており、このコロナ禍でも2018年に被災した広島工場の代わりとなる新工場を、同県内の跡地近くに立ち上げている。

コロナ後の「新常態」とどのように向き合っていくべきなのか。「週刊東洋経済プラス」では、経営者やスペシャリストのインタビューを連載中です。(画像をクリックすると一覧ページにジャンプします)

広島新工場では2ラインを新設し、自動化や最新技術の導入で省人化を実現できている。自動化による人手の削減はコロナとの共存下でも役に立っており、今後の新たな時代にもよく適することができるだろう。埼玉でも約140億円を投資し、国内最大の物流拠点となる自動倉庫を建設中だ。

非常に重要なチャネルである、自動販売機のオペレーションも見直している。具体的には、ここ数十年大きな変化がなかった自動販売機への商品供給方法を変えていく。IT技術を活用し、自販機毎の販売状況をデータ化することで、荷積みや補充作業を効率化している。近畿地方でパイロットテストを行ってきたが、このモデルを当初より前倒しし、2020年6月までにすべてのエリアに展開した。

「週刊東洋経済プラス」のインタビュー拡大版では「コロナ禍における商品の売り方」「日本における将来の飲料市場」などについても語っている。
兵頭 輝夏 東洋経済 記者

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ひょうどう きか / Kika Hyodo

愛媛県出身。東京外国語大学で中東地域を専攻。2019年東洋経済新報社入社、飲料・食品業界を取材し「ストロング系チューハイの是非」「ビジネスと人権」などの特集を担当。現在は製薬、医療業界を取材中。

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