日大ラグビー暴行の「釈明」に疑問だらけの訳 部長コメントは保身最優先、大学はだんまりか
日大としての課題は、「今後、各競技部の指導者をどう管理していくのか」というガバナンスの再構築。また、「今回のような犯罪行為なら、部内、学内で解決できないもの」とみなして速やかに警察や専門組織に相談するなどの細部にわたるガイドラインを作っておかなければならないでしょう。
唯一の救いは部員たちの勇気ある行動
今回の問題で唯一の救いは、苦しんでいた部員たちが立ち上がり、結果的に問題が改善されたこと。元ヘッドコーチのような指導者の支配下に置かれると、「部にいられない」「試合に出られない」という強迫観念だけでなく、「暴力を振るわれる」「逆らったら何をされるかわからない」などの恐怖心を抱き、身動きが取れなくなるものですが、彼らは自らアクションを起こすことができました。彼らの苦労と頑張りによって、今後は日大ラグビー部に限らず多くの学生たちがもっと早くアクションを起こせるのではないでしょうか。
しかし、もともと指導者の問題行動への対処は部員たちがアクションを起こさなければいけないものではなく、部や大学が行わなければいけないもの。元ヘッドコーチは指導力に定評があり、それなりの結果も出ていたようですが、それはあくまで表面上のものに過ぎません。部や大学がその裏にある「権力を乱用する」「酒グセが悪い」などの実態に気づき、対処していくべきでした。
日大としても、このまま日本一の生徒数を誇る学生たちだけでなく、多くのOB、OGたちに肩身の狭い思いをさせ続けるわけにはいかないでしょう。ラグビー部に限らず、日大の覚悟を持った新たな対策に期待していきたいところです。
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