コロナが突き付けた「オフィス不要論」の是非

都市部への人口集中は世界の都市の宿命だ

――都市への人口集中は望ましいのでしょうか。

それは評価軸によって変わってくる。例えば環境問題でいえば、ある意味でイエス。人が集中して住むことでエネルギー効率は上がるし、移動に伴うCO2排出量は、公共交通の発達した東京は地方と比べて1人当たり4分の1程度で済んでいる。

もりもと・あきのり/1964年生まれ。早稲田大学大学院卒業後、同大学助手、マサチューセッツ工科大学(MIT)研究員、宇都宮大学教授などを経て、2014年から現職(記者撮影)

一方で、コロナ対策で密集を避けた方がいいというなら、(都市集中は)望ましくないといえるだろう。コロナ禍を受けて無理して東京に住む必要はない、地方居住がいいじゃないかという人が増えたとすれば、それはそれで国土政策としては正しいと思う。

いずれにせよ、都市についての評価はプラスとマイナスを組み合わせて考えるべきで、1つの評価軸で判断すると間違った政策を生みかねない。

コンパクトシティはどうなるか

コロナ後の「新常態」とどのように向き合っていくべきなのか。「週刊東洋経済プラス」では、経営者やスペシャリストのインタビューを連載中です。(画像をクリックすると一覧ページにジャンプします)

――近年、郊外開発を抑制して都市機能を集約する「コンパクトシティ」政策が注目を集めています。コロナ後の世界でこの政策をどう考えますか。

なぜコンパクトシティが必要なのかを考えれば、コロナ禍で変化を迫られることはないだろう。日本の都市でいちばんつらいのは人口減少による税収低下だ。市街地が大きく広がってしまうと、インフラの維持管理費が追いつかなくなる。

人口の分布に合わせて都市の形を上手に縮退させることは、都市行政にとってはほぼ必須の条件になっている。コンパクトシティの善しあしは、コロナの議論だけでは語れない。コロナと付き合いながら、いかにして都市財政を破綻させないかを考えたほうがいい。

「週刊東洋経済プラス」のインタビュー拡大版では、スマートシティや都市における公共交通の将来像などについても語っている。
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