「ゲーム脳の信憑性」を現役医師が怪しむ理由

「脳の活動を低下させる」とまでは言い切れない

ただ、ややこしいのが、ゲームが脳に悪影響を与える可能性も否定できないという点だ。

例えば、「長時間ゲームを遊んでいる子どもは、そうでない子に比べて記憶力や言語能力が低い」という研究結果がある。これは、2016年に東北大学加齢医学研究所の研究グループが発表したもので、ゲームをやる習慣が数年後の言語知能などに及ぼす影響について解析を試みている。

その結果、長時間プレイしている子どもは、そうでない子どもに比べて認知機能や記憶、意欲にかかわる領域の発達や言語を司る部位に悪影響があることがわかった。

「ゲームが脳に悪影響を与えた」かは不明

この論文について、眞鍋教授は「捉え方に注意が必要です」と話す。

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「あくまで『ゲームのプレイ時間が長い子どもは、脳機能が低下していた』という話であって、『ゲームが脳に悪影響を与えた』という論文ではありません。

というのも、脳の認知機能は、人と会話することで活性化します。裏を返せば、会話が少なくなれば脳の機能は低下してしまう。親が仕事で忙しくて帰りが遅かったり、学校にうまくなじめなくて引きこもりがちになっていたりすると、家族や友人との会話が少なくなるのと同時に、ゲームをする時間が増える、ということもあるでしょう。

この研究では、そういった『家庭環境』などそのほかの要因までは踏み込めていません。あくまで『長時間のプレイが、脳に悪影響を与えるかもしれない』と注意するにとどまっているのです」

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