なぜ名経営者は紙ナプキンに図を描くのか? 思考をアップグレードさせる「図を描く習慣」

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(出所:ジャック・ウェルチ、ジョン・A・バーン著/宮本喜一訳『ジャック・ウェルチ わが経営』〈日本経済新聞出版〉より)

ウェルチは、ここに描かれた図の戦略を厳格に推し進めることによって、事業の選択と集中を進め、GEを立て直していきました。

なぜ図を描くと深く考えることができるのか?

このほかにも、最初のビジネスの着想を紙ナプキンの上に図で描いたという話は多く耳にします。もちろん、原因と結果を取り違えてはいけません。紙ナプキンの上にビジネスモデルを描いたからと言って必ず成功するわけではありません(笑)。

着目すべきは「図を描いた」ことです。彼らは図を描いて考えることで、より洞察深く考えることができ、優れたビジネスにつなげることができたのです。ここには少なからず因果関係があるような気がします。

ではなぜ図を描いて考えると優れた結果に結びつくのか?

図とは「紙1枚に描かれる線や丸や四角と言葉で表現されるイメージ」ということができます。紙1枚に描かれた図は思考の全体像になります。それは、現実から抽象的に切り出された本質的に大事なものであり、頭(とくに右脳)でいじることのできるイメージです。

なぜイメージしやすいのか。それは紙が「2次元」だからです。人は多くのインプットを2次元の画面から得て、頭で処理します。テレビ、雑誌、手帳、スマホ、看板、チラシ……すべて2次元。おそらく皆さんが、何か考える際に頭の中に描くのも2次元のイメージではないでしょうか。3次元で自由自在に考えられる人はそうそういないと思います。

また、図にすると、文章のようにあまりたくさんの情報を入れることができません。どうしても情報量が限られてしまいます。そうなると図に描けるのは、大事なものであり、論理であり、本質になるのではないでしょうか。

つまり、本当に理解すべき大切なことは結局図でしか表せない。あるいは図で表すのが最も手っ取り早い。なので意識して図で考えるようにすれば、深く考えられるようになる。そう思えるのです。

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