プロが分析!共通テスト「英語」の正しい対策法 受験指導のプロが語る科目別対策法

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変化① 発音・アクセント・文法・語法が出題されない

リーディングでは発音・アクセントの4者択一問題がなくなりました。これは出題内容の変化としては「よくなったこと」です。従来のような発音・アクセント問題では受験生の「本当の発音のレベル」を図れませんでした。例えばpetとputのpは同じだと「頭でわかっている」のと、破裂音のpがきちんと発音できるかどうかは別問題です。

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さらに、従来の形式の問題点は、「4者択一問題をやっておけば発音を学習した気になる」ということでした。「4技能対応」と称した問題集でも、このような4者択一の問題を扱う、あるいは発音・アクセントの原則を扱う、というだけで「発話を扱ったことにしてしまう」というふまじめなものが多いことが問題でした。

また、もう1つ、「よくなったこと」は文法・語法問題の4者択一問題がなくなったことです。これまでのセンター試験本試験の文法・語法問題の4者択一問題は良問でした。

「ライティングで必要になる文法・語法項目を厳選して出題している」という感じです。

ところが、この対策と称して高等学校に出回る「4者択一問題集」の質が劣悪でした。「これを3周やれば文法は大丈夫だ」とばかりに生徒にそのような問題集を買わせている高校がほとんどでした。網羅的に、大量の悪問を解かせることは、センター試験作成者側が狙っていた「ライティング等、ほかの技能に生きる内容を身につけてほしい」という意図に反しました。センター試験から共通テストへの移行で、高校現場での指導がどう変わっていくのかにも注目していきたいところです。

学生はopinionに終始しがち

変化② opinion(意見)と fact(事実)を識別させる問題

注目すべきはopinionとfactの識別を問う問題です。これは問題作成も難しく、解く際にも注意が必要です。一般に、factというのは「客観的に正しいもの」しかありません。よって「成績の上位者」「多くの生徒」などの主観的表現が入ったものはすべて排除されます。よってfactと言えるのは数字で明確にエビデンスが示されたものに限られます。

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例えば「ハンバーガーは身体に悪い」はopinionにすぎませんが、マクドナルドのビッグマックは556kcal、メガマックは768kcal、マックフライドポテトL 571kcalはマクドナルドが発表しているfact。こういったことを英文の中でしっかりとらえられるかが問われるのです。

では、なぜこの問いが出題されるのでしょうか。opinionとfactを区別できることはライティングなどのほかの技能でも求められる重要な事項だからです。例えば「クラブ活動は高校生にとってよいか」という自由英作文のテーマに対して、fact(=客観的数字)を挙げて「クラブ活動の効用」あるいは「クラブ活動の悪影響」を述べられる人はどれくらいいるでしょうか。

私的経験では1%もいないと思われます。ほとんどの学生は「自分はクラブをやってよかった」「クラブ活動は協力する心を育むことができる」などのopinionに終始してしまいます。このようなopinionを理由として挙げれば、本来なら0点にすべきでしょう。よって日本人にとってopinionとfactと区別されることは重要なのです。共通テストを機に、受験生が対処しておくべき1つのポイントであるといえます。

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