意外と知らない「トラック運転手」が寝る場所 ドライバーの1日を知っている人は少ない

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大島:そのためにはパレットの規格を統一することが重要です。これにより、箱のサイズも統一できます。いまは商品に合わせた箱作りを行っていて、オーダーメイドなので大きさが無限にあります。欧米も一種類ではないですが、日本よりも集約されているので、パレット化が進んでいます。

あと知られていないことでは、ドライバーの労働時間のルール(厚生労働省の改善基準告示など)ですね。社会はもちろん、荷主が理解していないケースも珍しくありません。先ほどの荷待ちも拘束時間に換算され、過酷な労働につながっています。改善するには荷物を出す発荷主と、荷物を受け取る着荷主が一体となり、考える必要があります。

理解されていない部分が多い物流の仕事

橋本:(改善基準告示では)休息期間を8時間以上連続で取ることが定められていますが、ドライバーにとってはプレッシャーになっています。車を止めることのできる場所が少ないので、出発前から渋滞、事故のリスクを計算しながら、どこで休息するかを考えなければいけません。ドライバーにとって、休むということは仕事の1つなので、荷主が理解し、荷待ちなどを改善していけば、労働環境は良くなるはずです。

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大島:その通りですね。仮に、午前8時に荷物を降ろす予定が10時まで伸びたとします。その後、ドライバーは8時間休息しないといけないので、動けるのは午後6時です。でも、荷主から帰りの荷物を「午後5時に取りに来て」と言われるのはよくあることです。トラック運送会社だけでなく、荷主や社会もルールを理解しないと、これからの時代、ますますドライバーは来なくなります。

橋本:世の中から理解されていないことはほかにもありますね。よくエンジンを掛けっぱなしのまま停車しているトラックに、「どうしてエンジンを切らないんだ」と批判する人がいますが、例えば冷凍車の中にはエンジンを切ると冷凍機能も切れてしまうトラックもあります。ですが、何も知らない人が見ると、エンジンをかけっぱなしにすることはあまりいいイメージはもたれません。どうしてトラックがマナー違反をしてしまっているのか、その理由をもっと理解してもらうことが大事です。

大島:一般の人にとって、宅配便は最も身近で便利な生活を支える、なくてはならないサービスです。一方で、トラック貨物輸送量を見ると、宅配を含む積合せ貨物は全体の3%程度で、企業間を結ぶ商業輸送が大半を占めています。トラック運送業界の実態をもっと知ってもらうには、残りの97%の部分に目を向けてほしいですね。

橋本:消費者も、例えばペン1本が手元に届くまでを、少し考えてもらえると変わってくると思います。でも、いまはその機会がありません。やはり子どもの頃から、授業などで物流を教えていくことが重要だと感じます。

大島:学校の先生にも物流を理解してもらうことが大事です。地方のトラック協会では小学校を訪問し、安全教育などを通じて情報発信していますが、もっと取り組みを広める必要があります。若者の車離れが指摘される中、一定層の人たちに、車に興味を持ってもらう試みも大切と言えます。

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