意外と知らない「トラック運転手」が寝る場所 ドライバーの1日を知っている人は少ない

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橋本:小さい頃は車に興味を持っているのに、成長すると興味がなくなるのは、なぜかと思います。トラックと消費者をリンクさせる上で、やはり「道路上」という場所はとても大事です。物流に興味を持ってもらうため、私も記事で読者の生活にどのくらい関わりがあるかを書くと、よく読まれます。

大島:そういえば、新型コロナウイルスの感染拡大で、ガソリンスタンドのシャワーが使えなくなったことが、トラック運送業界で問題になりましたね。

橋本:みんな、ガソリンスタンドにシャワールームがあったことに驚いていました。普段利用するスタンドにシャワーがあるということを知ってもらうことで、「ドライバーが普段シャワーをどうしているのか」という興味につながるのではないでしょうか。荷物を受け取る側のお客さんにとって、道路上は物流を知ってもらう、良い入口だと思います。

課題はドライバーの「マナー向上」

大島:一般の人への理解を深めるためには、ドライバーに改善してもらわなければならないこともあります。その1つがマナーの問題ですね。

『ドライバー不足に挑む!』(書影をクリックすると、購入サイトへジャンプします)

橋本:そうです。結局はそこに行き着きます。ドライバーの多くはマナーを守り走っていますが、一部にはやはり悪マナーのドライバーもいます。また、マナーが極端に良いせいで、悪マナーのドライバーに対して行き過ぎた行動を取ってしまう人もいます。

実際、前方の車が荒い運転をしていると、それをスマホで撮影し、SNSで投稿してしまう人もいます。マナー違反を指摘したいわけですが、「それを指摘することによって交通違反者になっているというジレンマがあります。

大島:以前、ドライバーに「ドライバーのイメージアップに何が必要か」を尋ねたのですが、多くが「マナー向上」と答えました。経営者に同じ質問をすると、やはり「マナー向上」と返ってきました。そこまで必要性を認識しているのであれば、業界全体で特定の月をマナーアップ強化月間にするなど、意識を変えてもらう取り組みがあってもいいですね。

橋本:すぐに変えられることの1つが言葉遣いです。「バカ」をはじめ、ホワイトカラーでは使わない言葉を耳にします。正義感が強いからこそ直接的な言葉遣いになってしまいがちですが、一度落ち着き、一呼吸おいてほしいです。

大島 弘明 NX総合研究所常務取締役

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おおしまひろあき / Hiroaki Oshima

1988年、日本大学卒業、(旧)日通総合研究所に入社。主にトラック運送事業における事業環境の変化や労働・安全問題、物流効率対策等の調査研究に従事。近年は、トラックドライバーの労働時間短縮等働き方改革に向けたコンサルティングも担当。ドライバー不足、2024年問題への対応等に関する講演や執筆多数。現在、経済産業省、国土交通省、農林水産省による「持続可能な物流の実現に向けた検討会」委員。著著「ドライバー不足に挑む!」(輸送経済新聞社)

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橋本 愛喜 フリーライター

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はしもと・あいき / Aiki Hashimoto

大阪府出身。元工場経営者・トラックドライバー。ブルーカラーの労働環境問題などについて執筆。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)。

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