「腰痛は病院でしか治せない」と思う人の大誤解 テレワークで増加中の腰痛持ちに教えたい対処

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そして、知識をつけたうえでウォーキングなどの有酸素運動によって体を動かすことが、腰痛の人に必要な2つのステップといえるでしょう。

あるいは、ストレッチやヨガなども腰痛改善に効果がありますが、前屈で痛みを感じる腰痛か、後屈で痛みを感じる腰痛か等によって効果的な運動の内容は異なります。

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腰痛は、働く人の生産性を、年間数万円単位で左右することがわかっています。私たちの研究では、腰痛を改善するための取り組みを始めるだけで、働く人1人あたりの生産性が年間で1万円以上向上することが明らかになっています。今後、ジョブ型の雇用形態や評価基準に移っていく企業にとっては、腰痛によって生産性が下がることが、組織はもちろん、働く人一人ひとりにとって、大きなデメリットともなりうる時代になってきているのです。

腰痛は、正しい知識を得るだけで、自分でマネジメントしていくことができます。また、病院に受診すべき基準も理解しておくことで、今後、新たに腰痛に悩まされた場合も、「この症状って病院に行くべきなの!?」というような不安に襲われることなく適切に腰痛をマネジメントできるようになっていくことが期待できます。

現在、腰痛を抱えている人は、まずは正しい知識を得て、腰痛を慢性化させないためにも、自分でマネジメントすることに力を注ぐのが望ましいのです。

福谷 直人 バックテック代表取締役

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ふくたに なおと / Naoto Fukutani

京都大学大学院医学研究科 博士後期課程卒(博士号取得)。株式会社バックテックを創業し、労働生産性向上/高ストレス対策を目的とした肩こり・腰痛対策サービス「ポケットセラピスト」を開発・運営。withコロナ時代においては、テレワーク支援ツールとして大手企業を中心に多数の導入実績がある。ヘルステック最大のグローバルカンファレンス「Health2.0 Asia」最優秀賞など、受賞歴多数。京都大学大学院医学研究科 健康経営プロジェクト研究員。産業医科大学産業生態科学研究所 産業保健経営学 訪問研究員。

ポケットセラピスト:https://pocket-therapist.jp/

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