米国が次に中国に課す「決定的な制裁」とは何か

米中戦争は短期と長期の2つの視点で考えよ

中国共産党政府による白色テロは香港に止まらず、次は台湾をターゲットにするだろう。そしてその後は日本の尖閣諸島に「食指」を伸ばし、沖縄をも視野に入れてくるはずだ。

自由主義陣営としては、こうした中国の「19世紀的帝国主義」を看過することはできない。拡大政策を採り続ける中国に対して、どこかの時点でノーを突き付ける必要がある。そうしない限り、中国はどこまでも自分たちの領土・領海を拡大しようとするだろう。自由主義陣営のリーダーであるアメリカが、指をくわえてこの状況を看過するとはとても思えない。

アメリカは中国の「国家資本主義」を認めない

中国の勢力図拡大への野望は経済にもあてはまる。とくにハイテク分野における覇権争いでは、中国に圧倒的な勢いがある。例えば最先端の5G通信機メーカーはファーウェイで、通信基地局や5G標準必要特許件数のシェアはすでに世界トップだ。スマートフォンでもトップの韓国サムスン電子に肉薄している。

なぜファーウェイがここまでのしあがって来たのか。それは研究開発投資に莫大な資金を注ぎ込んできたからだ。2009年は19億ドルだった同社の研究開発投資は、2019年には189億ドルと約10倍になった。ちなみにノキアやオラクル、シスコシステムズ、エリクソンなど欧米のライバル企業の研究開発投資はこの間、ほぼ横ばいとなっている。

ここまで研究開発投資に資金を振り向けられたのは、国策による支援があったからだ。

とくにハイテク分野は量産化が容易であるため、シェアが高まれば高まるほど、加速度的に利益が増えていく。シェアを高めるためには圧倒的な投資が必要になるが、これを政府主導で行ったのが今のファーウェイだ。

国策による強大な支援を受けて自由競争のマーケットに参入してくるのだから、これはそもそもフェアな競争ではないし、同社が中国政府の支援を受け続けている限り、いくらライバル企業が頑張ったとしても、その独走を止めることはできない。だからアメリカ政府は、同社を国防上の脅威と認定して、今までもさまざまな制裁を強化してきた。

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