40歳から覚える「年金」を1円でも増やすコツ 前半20年の加入実績で後半20年の対策を練る

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このように老齢、障害、遺族の年金の受給のためには未納期間をつくらないことが重要ですので、第1号被保険者で収入が少なく、保険料を納められない場合は、免除や猶予の申請を行う必要があります。

10年以上の受給資格期間が必要な老齢年金については、免除・猶予を受けた期間は保険料免除期間として受給資格期間に算入されます。また免除期間はその免除の種類に応じて、老齢基礎年金の額の計算に一部含まれます。免除や猶予は最大2年前まではさかのぼって受けられますので、該当する期間があれば申請を行いましょう。

障害年金や遺族年金についても保険料の納付要件が問われ、保険料免除期間も納付要件に必要な期間に算入されますが、初診日や死亡日の「前日」時点での納付要件が問われます。

免除期間が算入されるには、初診日前日や死亡日前日までに免除・猶予申請が必要(保険料の一部免除の場合は免除対象とならない残額部分の納付も必要)で、初診日当日や死亡日当日では不可となります。障害年金や遺族年金のためにも保険料免除や猶予の申請を早めに済ませておく必要があります。

免除や猶予を受けた期間の保険料については10年以内に納めること(追納)ができます。必要な受給資格期間を満たして将来老齢基礎年金を受給できたとしても、免除や猶予を受けた場合は、納付した場合と比べると年金額が少なくなります。しかし、追納すれば保険料納付済期間として年金額が計算されます。後で保険料納付に余裕ができれば、追納も考えてみましょう。

厚生年金加入で「2階建て」の保障が受けられる

では、前半の20年の間で厚生年金加入期間はどれくらいあるでしょうか。学校を卒業してから会社員として勤務し続けている人は、当然、厚生年金加入期間も長いでしょう。しかし、そうでない人は短いこともあり、このままでは受給できる年金の合計額が少なくなります。

厚生年金保険制度から受給できる年金は老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金ですが、いずれも報酬比例の年金で、加入期間が長いほど、また加入中の給与や賞与が高くて負担した厚生年金保険料が高いほど、受け取る年金額も高くなります。厚生年金被保険者(国民年金第2号被保険者)となれば老齢基礎年金だけでなく、厚生年金加入記録により計算された老齢厚生年金も増やすこともでき、2階建て年金制度による保障となります。

障害厚生年金については、在職中(厚生年金加入中)に初診日があることが受給の最低条件となっていますが、障害基礎年金(2020年度:障害等級1級は年間97万7125円、障害等級2級は年間78万1700円)が障害等級2級以上でないと受給できないのに対し、障害厚生年金は2級より軽い障害等級3級でも受給できます。障害等級が1級、2級であれば障害基礎年金と合わせて受給することもできます。

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