40歳から覚える「年金」を1円でも増やすコツ 前半20年の加入実績で後半20年の対策を練る
また、万が一死亡したときは、亡くなった人に厚生年金加入期間がないと遺族基礎年金(2020年度:年間78万1700円+子の数に応じた加算)のみとなり、亡くなった夫に子(高校卒業までの子、あるいは一定の障害がある場合の20歳未満の子)がいない場合の妻は、遺族基礎年金を受けられません。しかし、厚生年金加入期間があれば、子がいなくても妻は遺族厚生年金を受けられます。
もし、子がいれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受けることもできますし、子のいない40歳以上の妻が、遺族基礎年金がなく遺族厚生年金のみを受給する場合は寡婦加算が加算されることもあります。
このように厚生年金保険制度は国民年金制度より手厚くなっています。2020年5月末に成立した年金改革関連法により、今後社会保険の適用拡大(週20時間以上勤務者の加入についての企業規模要件の拡大、個人の士業事務所への適用など)もされますが、40歳までで厚生年金加入が短い人、厚生年金未加入の人は、将来のことを考え、今後厚生年金加入を考えてみましょう。
60歳からの「アディショナルタイム」でも増やせる
このように、将来の年金が少なくなりそうな人、また、そもそも年金が受けられない人も、ハーフタイムで前半20年の加入記録を確認しながら、今後の対策を練ることが可能です。それでも、20歳から60歳まで40年間しっかり掛けていた人に比べると年金額は少なくなります。
後半20年終了時の60歳になると、年金制度への加入が終了します。しかし、これ以上年金受給額が増やせないかというと、そうではありません。いよいよ老齢年金の受給が近づく60歳以降、サッカーのように「アディショナルタイム」があるのです。
サッカーのアディショナルタイムとは、負傷者の手当、選手交代などで試合が中断された分を追加でプレーできる追加時間を指します。サッカーには前半終了後と、後半終了後それぞれに設けられていますが、年金については後半の20年終了後に、同じような期間があります。
60歳までに国民年金保険料を納めることを中断してしまった期間や厚生年金保険料負担額が少ない期間があり、「このままでは受給できる年金が少ない」と思っているかもしれません。でも、後半20年の後に設けられたこの60歳以降の期間で年金制度に加入し、年金受給額を増やすことができるのです。
60歳以降も勤めている場合については、最大70歳までであれば厚生年金に加入することになり、60歳以降に退職した場合や自営業者となった場合には、最大65歳になるまで、あるいは老齢基礎年金が満額(つまり480カ月納付の額)に達するまで、国民年金に任意加入して保険料を納付することが可能です。年金の受給額を増やすうえで、この期間も重要な時期となります。
以上のように、40歳になったら一度、前半20年の年金加入記録を振り返り、後半20年の年金加入について考え、また、その先のアディショナルタイムも見据えて将来に備えるのはいかがでしょうか。
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