40歳から覚える「年金」を1円でも増やすコツ 前半20年の加入実績で後半20年の対策を練る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

国民年金制度から支給される老齢基礎年金は、保険料を納めた期間が40年(480カ月)あれば満額(2020年度:年間78万1700円)で受給できますが、受給するためには受給資格期間が最低10年以上必要です。一方で、厚生年金保険制度からの老齢厚生年金を受給するためには、厚生年金加入期間も必要となります。

最低10年以上必要とするその受給資格期間というのは、保険料を納めた期間(保険料納付済期間)、保険料の免除を受けた期間(保険料免除期間)、さらに合算対象期間(カラ期間)を指します。

厚生年金保険料が給与等から控除される第2号被保険者と保険料の負担のない第3号被保険者の場合、当該被保険者としての加入期間はそのまま保険料納付済期間として計算されますが、第1号被保険者は自分で毎月の国民年金保険料(2020年度:月額1万6540円)を納めないといけません。納付義務があるのにそのまま放置して納めていないと未納期間となり、受給資格期間にはなりません。

40歳時点でこれらの受給資格期間は満たしているでしょうか。前半20年間のうち、ほとんど保険料納付済期間であるような人であれば、まずは将来老齢年金を受給する資格はあります。

あとは後半20年もしっかり納めるかどうかで年金額が変わることになります。しかし前半20年のうちに未納期間が多く、受給資格期間が10年ない場合は、年金は1円も受けられないことになりますので、まずは10年の受給資格期間を早く満たす必要があります。

未納が多いと障害年金や遺族年金も受けられない

働き盛りの40歳は、配偶者や子どもがいる人も多いでしょう。年金は65歳からの老齢年金だけではありません。病気やケガが原因で障害が残った場合の障害年金(障害基礎年金や障害厚生年金)、亡くなった場合に遺された家族に支給される遺族年金(遺族基礎年金や遺族厚生年金)もあります。元気に働き続けることができればいいのですが、万が一のとき、こうした年金を活用できるように備えておく必要があります。

障害年金も遺族年金も受給のためには保険料の納付要件があり、一定の場合を除き、これを満たしていないと、そのほかの要件を満たしても年金を受け取ることができません。

障害年金の場合は初診日(障害の原因となる病気やケガで初めて医師等の診療を受けた日)の前日時点、遺族年金の場合は死亡日の前日時点での納付要件で受給可否が判定されますが、初診日または死亡日の前々月までにある被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上必要です。

つまり未納期間が3分の1を超えると、この納付要件を満たせなくなります。ただし特例として、初診日の前日や死亡日の前日時点で、初診日あるいは死亡日の前々月までの直近1年間に未納期間がない場合も納付要件を満たすことができるようになっています(この特例は2026年3月31日までの時限措置でその後は未定です)。

前半20年で納付した期間が多く、障害年金や遺族年金の保険料納付要件を十分に満たしている人は、万が一のときに年金の受給が可能にもなりますが、未納が多い人の場合、年金が受けられなくなる恐れがあります。未納が多い人は、今から最低でも直近1年の未納期間だけはつくらないようにしておくことが大切です。

次ページ納付できない場合は免除・猶予を申請する
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事