アミューズ、脱「音楽ライブ依存」で狙う新境地 コロナ禍でも「スポーツ事業」に注力する理由

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そして3つ目が、海外関連だ。2019年7月には、中国でスポーツビジネスを手がけるPlaymaker Kids(PMK)社に出資。2020年1月には子ども向けの屋内スポーツ施設を上海でグランドオープンし、今後も同国内での展開加速を狙う。さらに中国以外の国に関しては、アミューズが当該施設を展開できる独占ライセンスを獲得。東南アジアを軸に広げていきたい考えだ。

同じく海外戦略の一環として、野茂英雄氏のアメリカ・大リーグ移籍などを主導した代理人・団野村氏の企業を2019年11月に子会社化し、エージェント事業にも参入した。すでに各国で活躍する選手の移籍支援だけでなく、中南米などで将来有力選手となりえる若い人材を発掘し、日本の高校などで育成。大リーグや日本のプロ野球のチームへの加入を支援することを構想する。

2年間は新型コロナ影響を覚悟

次々とスポーツ関連の事業育成に乗り出しているアミューズ。全体の売り上げに占める割合はまだ小さいが、前出の坂田氏は「まず売上高数十億円のレベルに引き上げることを目標にしている。とくにアミューズの海外売上比率を上げることに貢献したい」と話す。

ただ、足元では音楽ライブ事業と同じく、新型コロナウイルスの影響も免れない。スポーツ事業の中核の1つに据える有明アリーナは、東京五輪の延期に伴い、いつ本格的な運営を開始できるのか見通しが立たない。

アミューズでスポーツビジネスを担当する坂田淳二氏(写真は2018年1月に撮影したもの、撮影:尾形文繁)

また音楽ライブ同様、人をたくさん集めた形でのスポーツイベントの開催は、依然として行いにくい。独占ライセンスを保有する屋内スポーツ施設も、「(東南アジアを中心に)引き合いが多くあったが、コロナの感染拡大後は話が止まっている」(坂田氏)状況だ。

坂田氏は「少なくとも2年間は新型コロナの影響を覚悟している」と話す。「今まではスポーツビジネスにおいてもリアルイベントなどのチケット収入が売り上げの半分を占めていたが、稼ぎ方を変えていく必要がある」(同)。

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