携帯向けソーシャルゲームのグリー、独自の課金モデルで急成長も、モバゲー、ミクシィが猛反撃
「釣り★スタ」は友人とチームを組んで釣り大会に参加したり、ユーザー同士で情報交換したりできる。こうした友人とのコミュニケーションを中心要素としたゲームは、ソーシャルゲームなどと呼ばれ、このところ世界的に最も注目を集めているゲームのジャンルだ。
グリーはもともとパソコンの交流サイト(SNS)サービスが発祥で、ゲームはそのSNSサービスを充実させる中から生まれたもの。ゲーム専業の会社にはないコミュニケーションを活用する経験は豊富だ。
「パッケージのゲームは1回発売したらそれで終わり。しかしグリーのゲームはサービスを開始してからもどんどん進化する。釣り★スタは2年も前に始めたゲームだが、ユーザーの動向を分析しながら新機能を追加し、内容を作り替えている。ユーザーの動向分析一つをとっても、膨大な量になるデータを短時間で集計して分析することは、経験を積まなければできることではない」と田中良和社長(写真)は言う。
積極的なマス広告も奏功
特定の利用者層に絞らないマーケティングも功を奏している。SNSの同業大手であるミクシィの「mixi」は若年女性に圧倒的に強く、ディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」は中高生をはじめとする若年層に浸透している。これに対してグリーは主力タイトルが男性向け、女性向けそれぞれあり、またゲームの内容もレベルに応じて遊べるようになっており、性別、年齢を超えて幅広い層に受け入れられている。
田中社長は「マスマーケットを狙っており、携帯電話のパケット定額制サービスの普及が進めば、まだまだ市場は拡大する。会員数は3000万人規模は狙える」とみる。