文章が劇的に「伝わるようになる」鉄板ルール わかりにくい文章には明らかな共通点がある
向側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落した。雪の冷気が流れこんだ。
(川端康成『雪国』より)
一文は短いほうが理解しやすいですし、リズムができて読みやすいことがわかるでしょう。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であったのだが……」とダラダラ続くと、なんだか歯切れも悪いし、疲れてしまいます。
短い文はバカっぽいと思うかもしれません。「頭をよく見せたい」「ちゃんとした文章を書きたい」と思えば思うほど、文は長くなりがちです。しかし逆なのです。短くシンプルな文ほどわかりやすくて、むしろ頭がよく見えるはずです。
この文は、ひとつの文であらゆることを言おうとしています。一度にすべて伝えようとすると、読み手に情報がなだれ込んでしまい、理解が追いつかなくなります。上記の文を分解すると、以下のことを言っています。
・それは労働政策審議会令第三条に記されている
・委員は労働者、使用者などの代表者のなかから選ぶ
ひとつの文で複数のことを伝えようとしない。基本的にひとつの文ではひとつのことが伝わればいい。ひとつずつ伝えることです。
情報も1つずつ伝える方がいい
目の前の人に、りんごとみかんとバナナを一度に渡すとどうなるでしょうか? 困るはずです。いくつかは落としてしまうでしょう。そうではなく、ひとつずつ渡す。「はい、りんご」「はい、みかん」というように渡していけば、相手も落とさずに処理できるはずです。
ではなく、
と書けばいいわけです。
「AはBです」というようにシンプルに言い切ることが大切なのです。一度にすべてを伝えようとするから、わかりにくくなります。「AはBです」「CもBです」と一つひとつ処理していく。
「ここまではわかりますよね? ここまではわかりますよね?」と読み手に確認するように書いていけば、わかりにくい文章は生まれないはずです。
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