コロナ禍が起きる前のことだが、ある大企業の経営者と会食した際、彼は「本社で働く3割はいらない」と本音を漏らした。いまだったら、「5割はいらない」というかもしれない。
実際、ここ数年、「働かないおじさん」は社会問題化していた。
「働かないおじさん」とは、出勤しているのに、仕事もせずにぷらぷらしている中高年層の社員たちのことだ。明確な仕事や責任も与えられず、やる気も乏しく、職場に「負のオーラ」をまき散らす人もいる。
人手不足が叫ばれていたにもかかわらず、「仕事がない人」「仕事をしない人」たちが一定比率、存在していた。しかも、「働かないおじさん」の給与水準は高い。働かないにもかかわらず、若い人たちよりもはるかに高い報酬を当たり前のように受け取っている。
しかし、このコロナ禍で身の丈を縮めざるをえない企業にとって、「働かないおじさん」のような社員を雇い続ける余裕はない。「船の大きさ」が突然3割縮んだのに、「定員」がそのままでは、船は間違いなく沈没してしまう。
「働かないおじさん」は「不要な人」として真っ先に淘汰されるか、報酬の大きな引き下げが起きるだろう。「自分の食いぶちくらい」は自分で稼がなければ、会社にしがみつくことは、もはや許されない。
企業は生き残りに必死。問題は、社員だ
コロナをきっかけに、日本企業は大きく生まれ変わろうとするのは間違いない。変わらなければ生き延びていけないのだから、経営者たちは本気だし、必死だ。
問題は社員たちだ。会社が生まれ変わろうとしているのに、社員たちの意識や行動が変わらなければ、その社員は間違いなく「お払い箱」になる。
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