菅義偉「コロナ対応、あらゆる支援を用意した」 支持率は最低「難しいが丁寧に説明していく」

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塩田:日本の官僚機構の非常事態や緊急事態への対応能力をどう見ていますか。

:日本の官僚は極めて優秀ですから、指導者が方向性を間違わなければ、しっかりと対応できます。最初は縦割りという面がすごくありますが、2~3日して回り始めると、しっかりと動き出しますね。

塩田:緊急事態宣言以前、クルーズ船対応、PCR検査の検査数の問題、全世帯へのマスク配布など、政府のコロナ対策について、国民の間に、対応がわかりにくい、透明性に欠ける、安心感が持てないといった不満が根強くありました。

:まずは丁寧に説明することだと思います。私は1日に2回、記者会見をやってきた。お話しできることは、できるだけご説明するようにしてきました。ちゃんと説明していくのは本当に難しい。でも、権力というのはそういうものだと思います。次から次に問題が発生して、それに対処していかなければならないのは重圧ですが、それに耐えられないと、権力を手にして国を前に進ませることはできない。その重圧との戦いです。

東京五輪延期決定は総理のリーダーシップ

塩田:3月24日、今年7月開幕予定だった夏季五輪東京大会の開催の延期で合意した、と安倍首相が明らかにしました。誰のリーダーシップで延期が実現したのですか。

:それは総理ですよ。総理が判断して、これは1年、と。世界のアスリートが万全の状態でプレーし、観客の皆さんにとっても、安心で安全な大会としていくためには、世界における感染の広がりを勘案すると、数カ月程度の時間では困難で、ある程度の時間は要せざるをえないでしょう。

(撮影:尾形 文繁)

組織委員会、東京都、政府の3者でIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と話し合って、1年程度の延期を提案し、合意に至った。過去に延期という例はなかったから、電話会談でまとまってよかったと思いました。ほかの国々にも、その前の3月16日のG7(主要国首脳会議)首脳テレビ会議のときに話をして支持を得ました。

緊張感や準備状況から見て、2年とか、あまり長期の延期になると、選手を初め、全部の状況が変わってきて、別の大会になってしまう懸念があった。福島で聖火がスタートする日が迫っていて、その前に決着しなければと総理も思っていました。聖火がスタートした後はなかなか難しい。

塩田:緊急事態宣言を発した4月7日、併せて政府は事業総額108兆2000億円、財政支出39兆5000億円の緊急経済対策を閣議決定しました。目的と狙いは。

:コロナで大きな影響が出ていますので、個人と中小企業それぞれ、実際に影響を受けた人が何とか対処できるような総合的な対策が必要です。この場をしのぐことが次のV字回復に直結すると思います。生活が苦しい方にもしっかりと対応するために、幅広い給付メニューを用意しました。大胆な資金繰りや財務基盤強化対策も用意しました。

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