菅義偉「コロナ対応、あらゆる支援を用意した」

支持率は最低「難しいが丁寧に説明していく」

塩田:ここまでの政府の対応を振り返りますと、まず2月3日にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜沖に入港しました。

:これは官房長官として私が対応しました。まったく初めての出来事が急に来た。2月4日の深夜に、最初に検査した31人で10人が陽性と判明した。厚生労働省から第一報が入り、直ちにホテルに厚生労働大臣と国土交通大臣と私と内閣危機管理監、関係省庁の約20人が集まって、次の日にどうするか、協議した。

菅 義偉(すが よしひで)/内閣官房長官、沖縄基地負担軽減担当・拉致問題担当大臣(撮影:尾形 文繁)

クルーズ船には56カ国・地域の人が、乗員・乗客合わせて3700人も乗っていた。ホテルを探したのですが、全部断られ、一挙に3700人を受け入れる施設を見つけることは不可能でしたから、まずは降ろさないで対応するしかなかった。ただ、乗客2700人の約半数が70歳以上。重症化の可能性が高い高齢者が多く乗船している中で、個室で管理しつつ、症状のある方、高齢者からPCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応検査)の実施を加速して、陽性と判明した方は速やかに下船していただく、そのための病床など、受け入れ先を確保する、そうした対応を決めて指示しました。

ほかにも、感染者の入国を防ぐための水際作戦で、全世界からものすごい数の帰国者が成田空港や羽田空港に着いた。入国管理を担当する法務省、検疫を担当する厚労省、空港を担当する国交省など、各省庁が知恵を出して対応する必要があります。全体を見ながら、人員をきちんと配置してスムーズに対応できるようにするのが私の仕事でした。

塩田:安倍首相は2月27日に全国のすべての小・中・高の学校、特別支援学校を対象に、3月2日から春休みまで、臨時休校を行うように要請しました。

臨時休校は総理の判断だった

:あのときは全国で感染が出ていたところと出ていなかったところがありました。その点も含め、全体の判断はやはり総理ですね。感染が出ていないところも含めて全校休校という形にしたわけです。当然、専門家から「これから1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との見解が示されている中での判断でした。

塩田:一方、政府は4月7日に全世帯への各2枚の布マスク配布を閣議決定しました。国民の間から、この時期の対応策として最適の措置なのか、費用の466億円の使い道として効果的な支出なのか、と疑問視する声が噴出しました。

:対策チームのマスク班の人たちが研究を積み重ねてきた結果です。マスク班は、とくに感染拡大防止の観点から、必要なところから提供してきました。まず医療用の4500万枚を全国の医療関係者に配り、その後に特別養護老人ホームなどの介護施設の関係者に約2000万枚、小、中、高等学校などの生徒と教職員に1400万枚、配布しました。一般の人に出回っていないので、次に5000万所帯に2枚ずつということにしたのです。

ですが、総理にご了解いただかないと、できない。総理のリーダーシップですよ。たかがマスクと思うかもしれませんが、7億~8億枚、造るのは大変なんです。当初は厚労省だけで対応していたけど、経済産業省、総務省も入れて「マスクチーム」を作った。

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