菅義偉「コロナ対応、あらゆる支援を用意した」

支持率は最低「難しいが丁寧に説明していく」

段階的に対象地域を拡大して、全都道府県を対象にしましたが、その段階で感染者が出ていない県もありましたから、全国に広げる必要があるか、議論しました。知事会から「感染者が多く発生している地域からは来ないでほしい」といった声も上がり、それなら全国を対象にということになった。最終的には総理に判断していただきましたが、私も同じ意見でした。自粛要請というやり方は、専門家の人たちが、国民の皆様が人との接触を8割削減することができれば1カ月で収束に向かわせられると数字で言ってくださったので、それをやってみようかということになりました。

塩田:補償措置を含む法的強制力のある制度も視野に入れていたのですか。

:多少はありました。最悪のときは、やっぱり制度を変えなければと。ただ、それは私権の大きな制約を伴うことになるので、慎重に考える必要があります。

塩田:4月5日の取材時点で、菅さんは日本の感染の状況について、「6月ごろになれば落ち着くと思う」と見通しを述べていました。

:あのとき、毎週日曜日に1時間、専門家委員会の先生方のお話を聞いて、対策を講じていました。その際に頭の体操みたいなことをやっていましたから。

塩田:1~2月、最初にコロナ襲来に遭遇したとき、この事態をどう受け止めましたか。

:初めての経験で、目に見えないウイルスとの戦いです。先手先手で手を打ち、できることはすべてやっていく必要があると思いました。

2009年の新型インフルの経験を生かした

塩田:首相官邸では、疫病の流行を想定して事前に準備をしていた面はありましたか。

:2009年に新型インフルエンザ発生の経験があり、そのときの対応に関する情報が役所から入った。例えば、このとき、対応する医療機関の名称を公表した結果、その医療機関に、皆さん、殺到し、混乱した経験がありましたので、今回はまずは相談センターで相談していただくことで、一般の診療とは完全に分ける形を作りました。

塩田:危機対応で官房長官としていちばん、注意を払ってきたのはどんな点でしたか。

:感染拡大防止には、ありとあらゆる対応策が必要です。政府の組織は縦割りになっていますから、私のところで政府全体を見渡して、対策が円滑に回るようにまとめて、オールジャパンとして対応できるようにしていく。それを頭に入れて対応してきました。

塩田:緊急事態に遭遇したときの安倍首相のリーダーシップをどう評価していますか。

:総理の指導力は極めて高いと思います。私もそのもとで具体的な対策に取り組んできました。

塩田:非常事態や緊急事態の際、政権担当者はどんな資質が求められますか。

:まずたくさんの情報を収集したうえで判断することがいちばんだと思います。そこを間違うとおかしくなります。過去の各事例での対応を調べるのも重要です。そのうえで、政府の関係者が一丸となって取り組む体制を作っていくことが大事だと思います。

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