コニカミノルタ、コロナ後の複合機に自信の訳 山名社長が語るペーパーレス化への対応策

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――注力してきたヘルスケア事業にも注目が集まっています。

コロナにより顕在化した医療従事者の負担低減、診断の早期化・確実化に取り組んでいる。特に肺の診断に注力し、AI(人工知能)による画像診断ソフトウェアで医療従事者の意思決定を助けている。

大病院だけなく、町のクリニックにもIT化やオンライン予約・診断システム(を採用するところ)が広がっている。人との接触を減らす意味でもクリニックのIT化は重要だ。

バイオヘルスケアにも注力している。コニカミノルタはタンパク質解析技術を持っており、それを遺伝子解析技術にも生かしている。遺伝子解析で自分自身や家族がどのような病気になりやすいのか知ることができ、患者それぞれに合った治療・投薬を行う個別化医療が可能になる。アメリカでは個別化医療の社会的認知が進み、コニカミノルタの事業として基盤ができあがっている。

コロナ後に生かせる遺伝子解析技術

――なぜ個別化医療に注力するようになったのでしょう。

コニカミノルタは前身のコニカの時代からレントゲンフィルムを手掛けており、画像診断技術に強みがある。診断技術のような「見える化」する分野を強化しようとする中で、遺伝子解析や個別化医療にたどり着いた。

こういった遺伝子解析を基盤とした医療を国も重要視している。遺伝子解析を駆使すれば、創薬日数を短縮でき、国の医療費負担を抑えることができる。

今までは主にがん患者が自身のがんの状態を把握し、治療方針の決定に役立てたいというニーズが大きかった。今後は、健康な人もPCR検査や抗体検査が必要であり、遺伝子解析の技術はここでも生かせる。また、コロナに感染して重症化するのは基礎疾患を持つ人だ。個別化医療はそういった疾患を早期に発見するニーズも満たす。

――今後はコニカミノルタの事業構造も大きく変わってきそうですね。

コロナ禍により、新規事業として育ててきたデジタルワークプレイス事業やバイオヘルスケア事業がくしくも求められている。これはコニカミノルタがコロナ以前から目指していた方向だ。

これら戦略投資している新規分野は赤字幅が確実に縮小している。コロナをはじめ経済の環境が厳しくなると、新規事業への投資を止めるという経営判断もあるかもしれないが、中長期の観点で苦しいときでも投資は続けていく。

大竹 麗子 東洋経済 記者

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おおたけ・れいこ

1995年東京都生まれ。大学院では大学自治を中心に思想史、教育史を専攻。趣味は、スポーツ応援と高校野球、近代文学など。

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劉 彦甫 東洋経済 記者

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りゅう いぇんふ / Yenfu LIU

解説部記者。台湾・中台関係を中心に国際政治やマクロ経済が専門。1994年台湾台北市生まれ、客家系。長崎県立佐世保南高校、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、修士(ジャーナリズム)。日本の台湾認識・言説を研究している。日本台湾教育支援研究者ネットワーク(SNET台湾)特別研究員。ピアノや旅行、映画・アニメが好き。

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