40歳男性が自由が丘で営業「ヒオアイス」の正体 ピスタチオはクラウドファンディングで実現

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HiO ICE CREAMのアトリエ兼ショップ。週末は日に200~300人が訪れる。現在はコロナの影響で、土日祝日に限り営業(筆者撮影)

今、日本のものづくりで静かな底流となっているのが、「クラフト」への志向だ。ブームと言うほど大きな規模でもなく、かつ、ブームを起こすことは、作り手たちの意に反してしまうだろう。

現代の飲食業界を担う若い世代は、利益を追求して大量生産、大量廃棄を生み出す直線的なものづくりではなく、例えば大切に使ったものが土に返り、また実りをもたらすような、より循環性のあるものづくりに価値を感じているのだ。

「次世代へつながるものづくり」を

クラフトアイスクリームを手がけるHiO ICE CREAM(ヒオ アイスクリーム)は立ち上げ1年と少しの新しいブランドだ。スイーツの街としても知られる東京都世田谷区、自由が丘に工房(アトリエ)兼ショップを構えるほか、今流行のサブスクリプションサービス等、ECも行っている。

95mlのミニカップ各350円。フレーバーは、美瑛シングルオリジンミルク、レモンシャーベット、深蒸し金谷茶、フローラルチョコレートの4種(筆者撮影)

こだわりは小ロット生産。丁寧なものづくりができるだけでなく、アイデアや顧客のニーズに臨機応変に対応できる。また、生産者から直接仕入れた新鮮で地域性に富む食材を、余らせず大切に使えることなども、この方針を選んだ理由だ。

運営企業であるHiOLIの創業者、西尾修平氏は40歳。同じく小ロットでのスイーツ作りを行う、BAKEの経営に携わっていた時期もある。

「自分の子どもの顔を見ていて自然と、次世代へつながるものづくりがしたいと思いました。今、よく知られるようになっているSDGsを意識して方針を決めたわけではないのですが、自分の考えていたことと同じ方向に、世の中が向かっている感覚はあります」(HiOLI 代表取締役社長・CEOの西尾氏)

次ページ同社のものづくり方針を体現するミルクアイスクリーム
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