母に過重負担の日本で女性活躍なんてムリな訳 コロナ禍での家庭教育増加でますます遠のく
さらにこの間、ほとんどの学校で休校期間にも勝るとも劣らない量の宿題が出された。「学習の遅れを取り戻せ!」と号令がかかるのに、授業時間が短縮では、先生方もそうせざるをえないのだろう。しかし同時期、テレワークから出勤へと仕事スタイルが戻る親も増える中で対策に追われた家庭も多く、これが前述イベントでのワーキングマザーの悲鳴につながるわけである。
今年の夏休みは、どこの自治体も夏休みの短縮を発表している。情報が集まった23区の状況を地図にしてみると、長短あるも一様に短縮の方向だ。東京23区で最も短い16日と発表している大田区と足立区は昨年の43日に対して、3分の1ほどしかない日数となっている。調べられた中で最短であった滋賀県草津市と大阪府東大阪市は13日と2週間弱だ。
これらの短縮は、いずれも学習の遅れをキャッチアップするため、である。
自由研究、読書感想文、日記、ドリルというように、例年と同じ量がこの短い夏に課されるのではないかと戦々恐々になっている保護者も少なくないであろう。
どれだけ夏休みを削っても時間捻出にはほど遠い
問題は、どこまで夏休みを削ったとしても、長い休校期間で失われた時間を捻出するには程遠いということである。
そのため、先月頭には文部科学省が「小学校6年生と中学校3年生で最大2割程度を家庭で」、というガイドラインを出した。子どもが何年生であろうがコロナ禍の影響を受け、一層に「家庭学習」が要される可能性が高まった。換言すれば、夏休みの短縮でも埋められない穴は、家庭教育に「仕分け」られるのだ。
このニュースに、私の周囲、とくに共働き家庭は震撼させられた。家に帰ってからの時間は、「夕飯の支度」「お風呂」「(低学年であれば)寝かしつけ」をこなさなければならない中で、どう子どもと一緒に宿題をする時間をねじ込んだらいいのか。子どもの小学校入学と同時に仕事を制限する人が増える「小1の壁」問題が解消されない中、事態はさらに悪化する可能性がある。
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