Jヴィレッジ除染めぐる東電と福島県の隠し事

聖火リレー開始地点に汚染廃棄物を極秘保管

東電原子力・立地本部広報グループ作成の5月14日付けの記録には次のような説明がある。

「Jヴィレッジの原状回復工事の公表について、昨日〈5月13日〉、福島県と打ち合わせを行い、いくつかの条件(保管場所に言及しない、引き渡ししたという言葉は使用しない等)はいただいたものの、公表することについては了承を得られた」

高濃度汚染廃棄物の保管場所非公表とする理由を裏付ける記録も見つかった。4月20日付けの記録には次のように書かれている。

「福島県としては、現在、廃棄物をJヴィレッジで保管している状況で、当社の回答内容によっては、そちら側に波及することで風評が出ることを懸念されているとのこと。引き続き、関係者で連携して対応協議していく」

さらに5月8日の東電の記録では次のような記述があった。

「Jヴィレッジの原状回復工事について、福島県からの要請で会見での回答が止められているが、改めて福島県から現在、Jヴィレッジで保有している8000ベクレル/キログラム超の廃棄物の指定廃棄物申請が完了しなければ公表は受け入れられないとの回答が立地地域部にあった」

このような経緯を踏まえ、5月18日の記者会見で原状回復工事の概要について説明する一方、1キログラム当たり8000ベクレルを超える高濃度の廃棄物のありかについては明らかにせず、秘密にし続けることが福島県と東電の間で合意されていたのである。

メディア対策の一端も判明

東電は、Jヴィレッジの問題をできるだけ福島の地元メディアに知られないようにする努力も続けていた。その“工作”の内容は、東洋経済が入手した東電・原子力・立地本部広報グループの記録で裏付けられている。そこには次のような記述がある。

「〈Jヴィレッジの原状回復工事に関する情報の〉公表日について、社内関係者のご意見もうかがったところ、福島地元メディアへの波及リスクに鑑み、5月18日〈の〉本社会見を2部構成とする形で公表を行う方向で準備を進めている」

実際、5月18日の記者会見はそのような形で進められた。東電本社および都内の会議室をつないで開催されたテレビ会議形式の定例会見では、福島第一原発の廃炉作業に関する質疑応答が終わるとともに映像がいったんカットされ、その直後に新たにJヴィレッジに関する会見が始まった。東電のホームページからテレビ会議映像を視聴していた福島の地元メディアの記者に、Jヴィレッジに関する情報ができる限り伝わりにくくするように工夫されていたのである。

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