「期待以上と思われる人」が人知れずしている事 圧倒的な「当事者意識」がそこにはある
日本では、「何をしていいかわからない」「ろくに仕事を教えてくれない」という不満も多いようですが、はっきりいえば、これは「犠牲者意識」です。
「周りの人が忙しくて放っておかれる。だから自分は仕事ができない」という考え方では、あまりに当事者意識が足りないように思います。給料をもらっているなら、とりあえず、自分にできることを何か探す。ファイルの整理でもなんでも、今できることをやってみる。
すると「あ、きれいにしてくれたんだね。ありがとう」と、認めてくれることだってあるわけです。
ちなみに僕が考える限り、ミレニアル世代の中には自分からどんどん動ける人も多いように思います。どんなアウトプットを出せばよいかを伝えたら、やり方はある程度自由にして仕事をしてもらうようにすると、すごく頑張る。もちろん、失敗もありますが、それも大事なプロセスと考えて、企業の側も、時に仕事の任せ方を再考してもよいのではないでしょうか。
こんなに違う!外資系企業と日本の新入社員
なお、海外の状況をお話ししておくと、僕が在籍したことがあるモルガン・スタンレーもGoogle Japanも大きな会社ですから、新卒も採っているし新入社員の研修もあります。そして、もちろん日本の企業と同じように会社やビジネスの紹介をしたり、プレゼンテーション研修やビジネスマナー研修があります。
ただ一方で、プロフェッショナルとしての仕事も求められます。基準が明確で、プロフェッショナルとして目標設定をしっかり行ない、パフォーマンスを出すことが期待されます。厳しいように思う方もいるかもしれませんが、事実としては、海外ではインターンでその人の仕事ぶりを見ていますから、最初から期待感が大きいのです。
そんな状態ですから、入社してすぐは資料整理といったことはありえない。上司や先輩に確認しながらでも、それぞれが自発的に動いていかなくては仕事は回りません。
したがって「自分で考えること」が必須なのです。
伸び悩んでしまう若いビジネスパーソンには、「わからないことをわからないと言えない」という共通点があります。
がむしゃらに頑張った結果、「わからないまま仕事を進めてしまって、後から間違っていたことがわかった」と話す人も少なくありません。
これは、ベテランの方にも知っておいていただきたいのですが、何か新しい仕事を始めるときに「自分が何がわかっていないのか」がわかる人は、強いと思います。
漠然と「よくわからない」では、動きようもありませんが、「何がわからないか」がわかれば、具体的に調べたり人に聞くことができます。そもそも、上司や先輩に「よくわかりません」と相談しても、相手も何をどうしていいのかわからないので、無駄に時間をとらせてしまいます。
新たな仕事が来て「どうしたらいいんだろう?」と悩んだら、まずは「何がわからないのか」を言葉にしてみる。すると、次にすべきことが見えてくると思います。
その仕事を始めてまだ日が浅いときは、段取りを教えてもらうことを待っている人も多いように思います。
おそらく学校でも塾でも「このプロセスを暗記しなさい」という授業が中心で、「自分で考えて、時間をとって試行錯誤してみる」という経験が少ないからではないかと思います。だからこそ、会社でも「こういう段取りでやってください」「この方法が正解です」と言われることを待ってしまう。