現金派が知らない「脱現金派」の意外なメリット キャッシュレスは「感染症対策」にも役に立つ

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これまで店舗は、PayPayであればPayPayのQRコードを、LINE PayであればLINE PayのQRコードを用意する必要があったため、レジ周りがQRコードで埋め尽くされるといったことも珍しくなかった。

だが、「JPQR」を導入すれば、店舗は一つのQRコードで事足り、消費者は各人好きなコード決済アプリを立ち上げ、決済を行うことができる。6月5日時点で、20近いコード決済サービスがJPQRへの参加を予定している。すでに6月22日から、店舗に向けてWEBサイトから申込みが可能だ。

キャッシュレス普及の課題は山積み

しかし、多岐にわたるキャッシュレス決済の問題は一筋縄ではない。例えば、クレジットカードで手に入れられるデータと、コード決済で手に入れられるデータには差異がある。決済手段ごとに得られるビッグデータが微妙に違うため管理に手間がかかる。決済手段に関係なく得られるインフラのオープン化を実現するなども課題の一つだ。また、

「かつて想定していたクレジットカードでの買い物は、高価な商品を想定していました。しかし、現在は少額決済でも利用されるケースが増えてきました。ポイント還元事業の対象決済のうち約6割は1000円以下の買い物です。平均単価は2000円強であるなど、少額決済でのキャッシュレス利用(多頻度小口決済)だったことを加味すると、加盟店手数料の負担が重いことや売上入金サイクルが長いといった課題を解決していかなくてはならない」

福田さんが説明するように、まだまだキャッシュレス普及のためにやらなければいけないことは山積状態だ。加盟店とキャッシュレス決済事業者をつなぐ通信システムやインフラ、決済事業者のコスト構造、さらには割賦販売法の見直しなどである。

「キャッシュレスだけを考えるのではなく、お支払い全体がどうなるか、お店での買い物がどうなるか、トータルで考えていく必要があると思っています」(福田さん)

「キャッシュレス・ポイント還元事業」が終了する今、ポイント還元、ポイント付与とは異なる、新たな脱現金へのインセンティブが必要にもなる。感染症対策と紐づくキャッシュレス化など、今後の動向に注目したい。

我妻 弘崇 フリーライター

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あづま ひろたか / Hirotaka Aduma

1980年北海道帯広市生まれ。東京都目黒区で育つ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始する。2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなる。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開している。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

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