目標はかえって働く人の「生産性を低下」させる 優秀な人にとって目標は天井になってしまう

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目標が役に立つかどうか、より大きな貢献をする助けになるかどうかを判断する唯一の基準は、その目標をその人個人が自発的に設定したかどうかです。全体目標から落とし込まれた目標では、自発性は引き出せず、チームの意思統一が図られるべくもありません。

では、組織で全員に落とし込むべきもの、共有すべきものはないのでしょうか?

人は「意味」と「目的」がわかれば自発的に行動を起こしやすくなります。なので、組織として「このプロダクトを広めることは、どういうことなのか」「なぜ、この商品を広めるのか?」を共有して連鎖させることは非常に有用です。組織で働く人は、無自覚にせよ集団としての価値観を知りたがっているのです。

チームの奮起を促すには?

チームの奮起を促す材料には大きく分けて「チーム内部で醸成されるもの」と「チームの外部に端を発するもの」の2つがあります。

『NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘』(サンマーク出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

「チーム内部で醸成されるもの」とは、チームメンバー同士の安心感やお互いへの信頼などです。「チームの外部に端を発するもの」とは、会社の使命や会社の未来への自信などが挙げられます。つまり、チームは自分たちの必要の一部を自力で満たすことができますが、より大きな使命感や未来への自信は、チームの中だけでは生み出すことはできないのです。

リーダーは、チームとチームメンバーに、外の世界で起こっていることをリアルタイムで理解させるとともに、どの山を目指しているかを伝える必要があります。そうすることで、チームメンバーは自発的に目標を設定し、それこそが生産性の向上につながるのです。

マーカス・バッキンガム 経営思想家

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まーかす・ばっきんがむ / Marcus Buckingham

人々の強みを解き放ち、パフォーマンスを高め、未来の仕事のあり方を示すことに全力を尽くす、「最も影響力のある経営思想家」に選出された世界的研究者、思想リーダー。ADPリサーチ・インスティテュートで「ピープル&パフォーマンス」に関わるすべての調査を指揮する。著書に『さあ、才能に目覚めよう』(日本経済新聞出版社)、『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』(日本経済新聞出版社)など、ベストセラー多数。

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アシュリー・グッドール シスコ シニア・バイスプレジデント

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あしゅりー・ぐっどーる / Ashley Goodall

シスコのリーダーシップ・アンド・チームインテリジェンス部門担当シニア・バイスプレジデント。前職はデロイトのディレクター兼最高人材育成責任者を務めた。マーカス・バッキンガムとの共著に、『社員の成長につながる人事評価システムを作る』(『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2015年10月号)などがある。

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