目標はかえって働く人の「生産性を低下」させる 優秀な人にとって目標は天井になってしまう
目標はどこの職場にもあります。「高い目標を設定することで、モチベーションが上がり、生産性が高まる」とは、ビジネス真理の1つとされています。しかし、世界的労働科学者のマーカス・バッキンガム氏は、『NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘』で、目標は生産性を高めるどころか逆の働きをすると、危険性を指摘します。
毎年の決まった時期、必ず作らされるのが目標です。その理由は、主に3つあります。
①目標を設定することで「個人の生産性」が上がるから
②目標の達成度合いを測ることで「客観的な評価」が可能になるから
③チームで目標を連携させることで、全員が同じ方向を向き、業績が促進されるから
②目標の達成度合いを測ることで「客観的な評価」が可能になるから
③チームで目標を連携させることで、全員が同じ方向を向き、業績が促進されるから
働く個人にとって、企業の上役にとって、そしてチームビジネスという団体競技上、目標は有用というわけです。しかし、労働科学の分析では、これら3つはすべてそのとおりでないことが判明しています。
目標を課すことで生産性向上につながるのか
まず、目標を上から課すことが生産性向上につながることを示す証拠は1つもありません。それどころか、正反対の影響を及ぼし、業績がかえって下がってしまうことを示す証拠は山ほどあります。
雨の日にニューヨークでタクシーを捕まえようとしたことはあるでしょうか? 簡単なことではありません。やっとタクシーが来た、と思ったら、先客が乗っている。そんなことが何度も繰り返されます。
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