自粛警察「執拗すぎる相互監視」を生む根本要因 戦中の隣組、戦前の自警団との意外な共通点

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

“自粛警察”に関すると見られる動き

警察などへの通報

・大阪府のコールセンターに「休業要請対象の店が営業している」という趣旨の通報が、4月下旬までに500件以上あった

・「自粛中なのに外でカップルがいちゃついている」などというコロナ関連の通報が愛知県県に多数届く。5月中旬までに400件超

・警視庁によると、新型コロナウイルス関連の110番が急増。東京都などに緊急事態宣言が発令された4月7日〜5月6日の1カ月間で計1621件に。休業要請対象のパチンコ店やスナックなどが「営業している」といった内容のほか、「公園で子どもがマスクをせずに遊んでいる」「橋の下でバーベキューをしている」といった内容

店舗などに対する“監視の目”

・千葉県の休業していた駄菓子屋に「コドモアツメルナ オミセシメロ マスクノムダ」という貼り紙

・東京都のライブバーに「安全のために、緊急事態宣言が終わるまでにライブハウスを自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます。近所の人」という貼り紙

・大阪府の要請に従って時間短縮で営業していたラーメン店に匿名の手紙。「あなたの店の客が大声で会話している。『繁盛』イコール『公害』であることを忘れるな」

・営業中の店舗に嫌がらせが続出。長野県では「コロナ」の名を付した飲食店に3月から無言電話やネットでの中傷的な書き込みが相次ぐ。横浜市の飲食店では扉に「バカ、死ね、潰れろ!」の落書き

・東京都の商店街の組合に「商店街すべてをなんで閉めさせないんだ、すぐに閉めさせろ。何考えてんだ、馬鹿野郎」「利益を上げていて最低」「恥」など多数の電話

・名古屋市の商店街で休業要請対象外の店などが営業していることに「コロナを発信するつもりか」「二度と買い物には行かない」などのメールや電話が多数届く

・千葉県で県の休業指示に応じないパチンコ店の前で、男性がマイクを手に「営業やめろ」「帰れ」などと叫ぶ

・緊急事態宣言解除の翌日から営業を再開した岐阜県の温泉施設に対し「緊急事態宣言中だ 休業要請対象だろ 営業再開 辞めろ」などのメールが届く

“他県ナンバー狩り”も続く

・県外ナンバーの車に乗る県内在住者向けに、山形県は「山形県内在住者です」と太書きした“確認書”の交付を開始。県外ナンバーの車への嫌がらせが相次いだためという。“他県ナンバー狩り”に対し、和歌山県なども同様の「県内在住確認書」を交付

・徳島県で県外ナンバーの車に乗る人があおり運転されたり、暴言を吐かれたり、車に傷をつけられたりする事例が相次ぐ。同県三好市は5月、「徳島県内在住者です」という車用の表示デザインを制作

(※上記の動きは朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、中日新聞、共同通信、時事通信、NHK、名古屋テレビ、徳島新聞などの報道(WEB版を含む)をもとに、フロントラインプレスが作成)

取材:当銘寿夫=フロントラインプレス(Frontline Press)

Frontline Press

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年5月に合同会社を設立して正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や研究者ら約40人が参加。スマートニュース社の子会社「スローニュース」による調査報道支援プログラムの第1号に選定(2019年)、東洋経済「オンラインアワード2020」の「ソーシャルインパクト賞」を受賞(2020年)。公式HP https://frontlinepress.jp

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事