あなたのビジネス文章が伝わらない3つの理由 読み手に負担をかけない書き方の法則とは?

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【悪い例】
当社は、世界最高レベルの高効率を実現するGHモジュールを搭載した「XTシリーズ」を開発し、当社従来製品比で約25%減の15Wという世界最高水準の低消費電力化を実現しました。
【良い例】
当社は、世界最高レベルの高効率を実現するGHモジュールを搭載した「XTシリーズ」を開発しました。「XTシリーズ」は、当社従来製品比で約25%減の15Wという世界最高水準の低消費電力化を実現しています。

悪い例のように等位接続してしまうと、接続された文がすべて等価となってしまい、すべての文がぼけてしまいます。良い例のように1つのポイントだけを見せるから、文のポイントが強調できるのです。また、文が短くなるので、内容を一読で理解しやすくなります。

ただし、前後の文に強い接続関係があって、かつ、全体が短いなら、接続関係を明示したうえで前後の文をつなぎましょう。接続関係を明示すると、文の中に主節と従属節が生まれるので、主節、つまり重要な情報が強調されます。

接続関係を明示するには、等位接続助詞ではなく、接続関係を明示できる接続助詞を使います。例えば、「〜ので」や「〜によって」です。

逆に、接続関係のある短い文を切って羅列するとわかりにくく、幼稚な印象を与えます。また、接続関係があるのにその関係を明示しないと、読み手によっては接続関係を読み間違えるかもしれません。

【例文】
当社は、GHモジュールを搭載した「XTシリーズ」の開発によって、15Wという世界最高水準の低消費電力化を実現しました。

また、前後の文に強い接続関係があって、かつ、全体が長い場合は、前後で文を2つに切ったうえで、接続語句を付け加えましょう。ここでいう接続語句とは、後ろにどんな内容の文が来るかを予測できる言葉です。例えば、「なぜなら」「したがって」「しかし」「つまり」です。

前後で文をつなげると、長くなるのでわかりにくくなります。接続語句を省略すると、予測ができないのでわかりにくくなるだけではなく、最悪の場合、前後で文の接続関係を読み手が読み間違えてしまう可能性があるからです。

有効な情報を文章で効率よく共有化

『改訂新版 書く技術・伝える技術』(あさ出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

インターネットが普及し、ビジネスの現場は情報であふれるようになりました。電子メールを1日に100通以上受信する管理職の方も珍しくありません。また、ホームページを通じて、世界中の膨大な情報の中から必要な情報を効率よく収集する必要も出てきました。

すべてに目を通せないほど多くの情報におぼれながら、日々の仕事をこなしているのです。テレワークが一般的になってきた中、今後も情報量は増えこそすれ、減ることはないでしょう。

あふれる情報の中から、有効な情報を文章によって効率よく共有化して、初めてビジネスの生産性が高まります。情報伝達の手段である文章の質がビジネスの成否を分けるといっても過言ではありません。ビジネス文書の書き方に悩んだときは、ぜひ参考にしてみてください。

倉島 保美 ロジカルスキル研究所 代表取締役

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くらしま やすみ / Yasumi Kurashima

1961年東京生まれ。1985年東京大学工学部卒業。同年NEC入社。1992年よりライティングの指導を開始。2003年NECエレクトロニクスを退職。英語、日本語のライティング、プレゼンテーション、ディベート、論理的思考法についての指導を企業や自治体、大学などで年間150回以上行っている。著書に『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』『論理が伝わる 世界標準の「プレゼン術」』(ともに講談社)など

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