保護者からも。
「息子はドルトン東京学園中等部の2年生です。美術の課題として、オリジナルのマスクをデザインして実際に製作するというものが出されました。時節に合った面白い課題だと思いました。生徒たちもユニークなマスクを考えているみたいです」
普段「世の中のことに目を向けましょう」と言っているのだから、いまの社会状況を教科学習にも生かさない手はないというわけだ。
「息子が私立逗子開成中学校の1年生です。数学の先生が毎日動画で課題を出してくれるのですが、名探偵コナン風だったり、徹子の部屋風だったり、ガンダム風だったりと、毎日いろんなパロディー動画をわざわざ作り込んでくれるんです。課題自体はいたってフツーの問題なんですけど(笑)」
まだ直接会えてもいない生徒たちに、少しでも身近に感じてもらう工夫であろう。実際に課題をどれだけやるかにかかわらず、クラスづくりという意味で、心理的な効果は大きいはずだ。
いつもどおりの授業ができないことを嘆くのでなく、ただ教科書と問題集を配って「やっておきなさい」と丸投げするのでもなく、この制約下でも子どもたちができるだけ楽しく前向きに学べるようにするための工夫が、公立・私立に関係なく、随所で見られた。頭が下がる。
試行錯誤と思いやりはきっと子どもたちにも伝わる
先生たちのその試行錯誤と思いやりは、きっと子どもたちにも伝わり、普段の授業を受けているだけでは学べないことを子どもたちは学ぶはずだ。
東京都などでは6月から分散登校が始まっている。これも、これまでやったことのない取り組みだ。どういう形で登校を分散させるのか。生徒たちが学校にいられる限られた時間をどのように活用すべきなのか。万が一にも感染者を出してはいけないという緊張感の中での模索が続く。学校は、元に戻ろうとしているのではない。新しい挑戦の日々が始まったのだ。
いま、社会として学校の挑戦を最大限にサポートできるのなら、数十年後の未来はきっと、明るい。
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