広い範囲で勝てない多くの人は、仮に先生業なら、例えば「双方向」を要する個別指導のようなビジネスモデルに転換して競争のフィールドを「ズラす」ことが必要になるだろう。マーケットを小さく区切って競争するのだ。
対人的相対評価のゲームにあっては、自分の分野を限って長期間「集中」することが有利だ。「一つの」分野に「長く」集中しないと、相対競争の順位を上げることは難しい。「好きなことを仕事にせよ」と巷間よく言われるのは、好きなことなら長期的な集中が苦にならないからだ。
職業戦略の「2つの原則」とは?
しかし、一つのビジネスに長く集中すると、そのビジネスが傾いた時の影響は大きい点に悩みがある。
一般的に好ましい職業戦略の原則は、(1)仕事の分野は好きな分野に絞って(相対的な競争力を高めるために)、(2)収入源はなるべく分散する(リスクを減らすために)、ということになる。
職種は、営業でも、サービスでも、研究でも、芸事でも、同じだ。集中できるくらい自分が好きな仕事に集中して、同時に、できれば複数の会社に自分の仕事を売り、副業としてビジネスを立ち上げたり、オンラインで個人的に仕事を請け負ったり、理想的には、どれか収入源が1つなくなっても、急には困らないリスク分散を目指そう。
これから就職する若者は、まず会社で仕事を経験する機会を得て、売ることが出来る「自分の仕事」の基礎を作ることを目指すべきだ。
そして、社員が複数の収入源を持つことを規制したがるような会社は、会社として外の変化を取り込むことに消極的なのだし、社員を過剰に管理しようとしているのだから、「なるべく早く離れる」方がいい(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承下さい)。
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