「人種差別抗議デモ」世界中で大規模化する理由 アメリカ警察官による黒人男性殺害が引き金

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フランスのル・モンド紙のワシントン特派員、ジル・パリは31日、トランプ大統領は新型コロナと、記録的な失業率、そして「人種差別という悪魔の復活」が混ざった「死の泉」を前にしていると書いた。

ヨーロッパ連合(EU)は6月1日に、アメリカの抗議活動に関係する「すべての問題」が、「法と人権とを最大限に尊重し、迅速に解決されること」を望むと述べた。こうした表現は通常、民主主義や人権がほとんど保障されていない国で、暴力的な破綻が生じたときに使われる。

各国からデモの「アドバイス」も

アメリカのデモ参加者には、運動を続けるためのアドバイスも提供された。

レバノンでは、あるグループが「ベイルートからミネアポリスへ:連帯する抗議行動のための手引き」と題する資料を編纂した。チリでは、活動家のダナエ・プラデナスがツイッターでアメリカのデモ参加者に対して、警察のゴム弾から目を守るよう忠告した。

チリでは昨年10月、格差に反対する抗議行動で、ゴム弾によって何百人もがケガをしたり、視力を失ったりした。チリの旗に「目が見えない」という言葉を重ねた画像と、アメリカの旗に「息ができない」という言葉を重ねた画像が、ソーシャルメディア上に出回っている。

チリの左派議員、ガブリエル・ボリックは、移民や先住民に対するチリとアメリカの人種差別を比較して、ツイッターでこう述べた。「私たちはみな、ジョージ・フロイドだ」。

(執筆:Javier C. Hernández、Benjamin Mueller、翻訳:東方雅美)
(C)2020 The New York Times Company

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