ワーママたちが休校長期化で得た「大きな学び」 コロナ後に求められる新しいテレワークとは?

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特にお金をかけたのが絵本だ。本好きの息子のため、これまでは図書館から2週間に1度、15冊ほど借りていた。しかし、頼みの綱の図書館が休館。急きょネット通販で6〜7冊購入し、計1万円ほどの出費になった。

おもちゃ箱にあふれかえるほど持っていたプラレールも、「パパとママのWeb会議中は静かにするという約束をして」線路や車体を1万円ほど買い足した。だが、それでもまったく時間がもたなかった。「4歳児の集中力なんて、せいぜい10分程度」と武田さんは苦笑いする。

痛い出費をしたにもかかわらず、子どもからは「遊んでほしい」と矢のような催促。「あとでね」とかわし続けていたら、「ママは僕のこと嫌いになっちゃったの?」と泣きそうな顔で聞かれたこともあった。「相手をしてあげられない罪悪感で胸が苦しかった」と振り返る。

そこで取り入れたのが、早朝の散歩。通勤時間がなくなった分、テレワーク開始当初は始業より早めに仕事に取りかかっていたが、その時間を子どもとの散歩に充てることにした。朝から体を動かすことで子どももぐっすり昼寝するようになり、武田さんの仕事もはかどるようになった。

また、1歳の誕生日を目前に仕事復帰した武田さんにとって、24時間子どもと一緒に過ごすのは3年ぶり。子どもに手をかけることで、自分の気持ちも満たされたという。

テレワークは「子どもがいない状況でやりたい」

6月に入り、保育園への登園も再開した。社内では、そろそろ一斉テレワークを終了しようとする動きも出ている。だが、武田さんはコロナの感染拡大が落ち着いても週に数回はテレワークを継続したいと希望している。

「登園を再開したことで、『仕事は子どもを見ながらするものではない』という認識を強くしました。これが日常化してしまうと、親も子も消耗してしまいます。やはり、保育園なくして仕事はできません」

テレワークを週数回継続するだけでも、通勤に費やしていた1時間半を子どもとの時間に充てることができる。何より、子どもが体調を崩したときにすぐ駆けつけられる距離にいられることも、今のこの状況においては大きな安心材料になる。「これを機にテレワーク制度の定着を会社に要請したい」と武田さんは話す。

「身の回りのお世話」がメインの未就学児に対し、小学生以上の親はどんなことを大変だと感じたのか。中2、小6、小2の3姉妹を育てながら都内のメーカーで商品企画の仕事に携わる吉岡さん(仮名)は、「とにかく勉強の進み具合が気になってしまった」と話す。

長女の中学校は私立。次女は中学受験を控えており、進学塾に通っている。今までは学校や塾任せだったが、いずれも授業がなくなったので自習させなければならない。仕事柄、これまでも週に数回はテレワークしていたが、子どもが在宅している状況で働くことには慣れていなかった。

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