10代目「アコード」乗ってわかった走りの質感

e:HEVが実現した新たな“意のまま"の走り

反対にSPORTモードでは高めの減衰力特性に固定しつつ、アクセル操作に対する応答性を高めた出力特性に変化。同時に、電動パワーステアリングや、前輪ブレーキを適宜制御してコーナリング時の安定性を高める「アジャイルハンドリングアシスト」の特性を俊敏に。さらに、擬似的な音響装置である「アクティブサウンドコントロール」機能によって増幅させた加速音をスピーカーから出力する。

ここまできて、各種ギミックこそセールスポイントに思われる新型アコードだが、実際に運転環境に合わせて各モードを変更してみた結果、失礼ながらそこに新型アコードらしさを感じることはなかった。

逆に筆者がもっとも“らしさ”を実感したのは、日常的な運転操作。その時、「人中心の感性に訴えかける乗り味」という開発哲学が、手に取るように伝わってきたからだ。

モーター駆動車ならではの“意のまま”の走り

運転席に座ると、真っ先に7インチの液晶画面に映し出される大きな2眼式メーターに目が行く。右側がスピードメーター、左側は出力とエネルギー回生を示す「パワー/チャージメーター」で占められる。

注目すべきは左側のアクセル操作に連動するパワーメーターで、8コマに区切られているうち、針が中間の4コマ目を超えないよう意識的にアクセル操作をしてみると、新型アコードがe:HEVで目指した走りが体感できる。

液晶表示されるパワーメーター(筆者撮影)

発進時を例に具体的に解説する。2コマ目までを上限にじんわり踏み込み、周辺の交通環境に合わせて操作量を調整していくと、モーター駆動特有の力強い走りが得られる。

ここでの要は“しっかり踏み込み、そこを保つこと”。その後の増速でも同じくしっかりとしたアクセル操作が求められる。高速道路でも同じくじんわり踏んで4コマ目あたりを上限に走らせると、加速させたい気持ちとクルマがリンクする。

誤解がないように申し添えればこの新型アコード、決して力不足なわけではなく、むしろ速い。それこそ8コマ目まで達するようアクセルを踏み込めば、高めの躍度を保ったまま一気に高速域まで向かう。

ただ、昨今の電動化車両のように、少しのアクセル操作量に対してグンと前に出るような加速演出がないため、それらと比較すると、「おや、遅いかな」と感じられるのだ。

こうした、しっかりと踏み込むアクセル操作を求めるということは、反対に減速させる際もじんわり戻せば必要な分だけ速度を落とせる、ということ。無意識に、といったら大げさだが、右足に意識を集中させずとも速度調整が楽に行えるから気疲れしない。

“意のまま”と表現されることの多いこうした走行特性は、新型アコードの大きな美点。車格やパワートレーンによる程度の差はあるが、フィットのe:HEVモデルとの共通項でもある。

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