日本ではコロナよりも恐慌を招くほうが怖い

第2波では緊急事態宣言を避けて冷静な対策を

6月1日ようやく学校が再開され、マスクを着用し距離をとって授業が再開された札幌市中央区の小学校(写真:共同通信、代表撮影)

子どもたちの成長にも大きなマイナスの影響を残した。オンライン授業の環境が整わないまま学校が閉鎖されたため、勉強に支障を来すことになった。部活動の中止で能力の多様化も阻まれ、外で自由に遊べないため身体的ストレスもたまる。学校や学童保育が閉鎖されたことで社会・地域との接点が失われ、社会性や人間関係を築くことも難しくなった。

未成年者は新型コロナによってほとんど重症化しないことを考えると、成長の機会を奪われた子どもたちは、新型コロナ対策の最大の犠牲者といえるかもしれない。

健康面でも見えないコストが積み上がっている。「コロナ太り」と揶揄されたように、自粛生活が長期化すると、運動不足、栄養バランスを欠いた食事、精神的ストレスなどを通じて、健康状態が悪化することが懸念されている。これはいわば、新型コロナによる健康2次被害である。新型コロナの死亡者のように目に見える被害ではないものの、国全体で広く薄く健康悪化のリスクが高まっている可能性がある。

結果的に緊急事態宣言は過剰反応だった

以上のように、①新型コロナによる死亡率が非常に低いこと、②看過できない多大なコストが発生したこと、この2点から考えると、これまでの新型コロナ対策は、コストに見合わない過剰対応だったと言わざるをえない。

もちろん、4月までは「未知のウイルス」であったため、初動の間違いを責めるべきではない。しかし、5月に入った後、低い死亡率と膨大な社会的コストが明らかになった時点で、新型コロナ対策は軌道修正を図るべきであった。この1カ月の遅れだけでも2兆円の経済的損失を生み出したと試算される。

では、もし来る第2波で感染者数が増加して、再び緊急事態宣言が発動された場合、どのようなことが起きるだろうか。第1波でも甚大なコストが発生したが、第2波ではそれを上回るコストが生じることになる。

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